最新の昭和基地情報をお届けする「昭和基地NOW!!」野外調査隊はどこ?進め!しらせトピックス





















〜このページでは南極の最新情報をお送りします〜

オゾン月光観測
2004年7月4日

気象棟の屋根を開き、ドブソン
オゾン分光光度計をセット
 生命に有害な紫外線を吸収してくれるオゾン層は、人間活動により放出されたフロンガス等によって破壊されます。南極上空のオゾンは極夜明けに極端に減少し、いわゆるオゾンホールが形成されます。この現象は、1980年代初めに昭和基地で越冬中の気象隊員によって、世界で初めて報告されました。 この発見があったのは、1961年の第5次隊が試験的に観測を行って以来、オゾン観測が着実に続けられてきたからにほかなりません。そして今も、昭和基地ではオゾンを見張り続けています。
 上空のオゾンを観測する方法としては、気球を揚げて大気中のオゾンの高度分布を観測するオゾンゾンデ観測や、太陽光を使って大気中のオゾン全量を測定するドブソンオゾン全量観測があります。
 しかし、太陽の昇らない極夜期には太陽光を使った観測は出来ません。そこで考えられたのが、月の光を使ってオゾン全量観測を行うオゾン月光観測です。太陽光と月光を併用すれば、一年を通して同じ手法でオゾン量を観測することが出来るため、安定したデータが得られることになります。極夜明けの8月には、オゾンホールの発達が待ち受けています。 暗い中でのオゾン月光観測は、オゾン消失に先立つ動きを捉える、重要な意味を持っています。
 今夜も気象隊員の眠れぬ夜が続きます。

月に照準を合わせ、測定開始

月を見上げるドブソンオゾン分光光度計

 
7月4日の気象情報
天気 吹雪後雪
最高気温 -7.8度
最低気温 -10.5度
平均気温 -9.0度
最大風速 24.5m/s
平均風速 10.0m/s
 
 
昭和基地NOW!! | 野外調査隊はどこ? | 進め!しらせ | トピックス

Copyright(C)1997-2014 National Institute of Polar Research