最新の昭和基地情報をお届けする「昭和基地NOW!!」野外調査隊はどこ?進め!しらせトピックス





















〜このページでは南極の最新情報をお送りします〜

ライフライン
2005年6月14日
 昭和基地には電力会社や水道局がないので、基地で使用する電気、水道は全部、自前で作るしかありません。
 昭和基地の電気の大部分はディーゼル発電機で作っています。この発電機は2台あり、交互に運転・点検をくり返してとぎれる事なく電力を供給しています。また、発電機から排出される熱は基地の暖房や温水を作るのに大いに利用され、燃料の利用効率を高めています。

ディーゼル発電機
(1台ずつ交代で昭和基地の電気を作っています)


排ガスボイラー
(ディーゼル発電機の排熱を温水作りや暖房に利用しています)
 最近では、地球温暖化現象の一つの要因として炭酸ガスが取り上げられていますが、昭和基地でもディーゼル発電機から排出される炭酸ガスの量が少なくなるよう、太陽光発電機、風力発電機の設置を推進しています。

太陽光発電機
(電力使用量が増す夏期を中心に電気を作っています)

風力発電機
(年間を通して電気を作っています)
 水道に関しては、夏の雪解け水をせき止め、まず小さなダムに溜めます。そこから水槽に送り、ろ過装置を通した後に消毒して基地で消費されます。しかし、せき止めている水には限りがあり、また夏期間解けなかった雪や氷は冬の間は解ける事が無く、逆に夏に解けた水が凍ってくるので水量が益々少なくなってきます。ですから、一度解けた水がなるべく凍らないよう、せき止めた水を基地に引き込みエンジンの排熱で温めてダムへ戻しています。冬場に表面が凍りついても、その下は常に水を循環させ、中まで凍らないようにして、水の確保を行っています。また、水槽はブリザードなどの時には雪がたまりやすい場所に設置されているほか、水が少なくなると近くの雪を入れて、造水量の確保に努めています。

脱塩装置
(この装置で飲料水の塩分を除去しています)
 このように、ライフラインを自分達で運用しているため、日本にいた時よりも節電、節水の意識が高くなり、使用してない電気はこまめに消し、水を使用した後には蛇口をきちんと閉める習慣が身につきます。

 
6月14日の気象情報
天気 吹雪のち曇り一時晴れ
日の出 なし
日の入 なし
最高気温 -8.8度
最低気温 -11.0度
平均気温 -9.9度
最大風速 17.5m/s
平均風速 14.3m/s
 
 
昭和基地NOW!! | 野外調査隊はどこ? | 進め!しらせ | トピックス

Copyright(C)1997-2014 National Institute of Polar Research