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スカーレン旅行
2005年9月15日

シェッゲと雪上車
(スカーレンへのルートの途中に見られるシェッゲという高さ400mの
崖をバックに撮影。ちょっとした休憩ポイントになります。)

 46次越冬隊では、もっとも遠い南方への海氷旅行となる、スカーレンという露岩までの旅行が、9月3日から6日、9月12日から15日と2回行われました。この旅行で計画されていたスカーレンまでのルート工作、海底地下水調査、沿岸地震計メンテナンス、露岩GPS観測、通信確保のためのUHF(極超短波)・VHF(超短波)無線の試験は、すべて順調に行うことができました。

 これまでもルート工作については、昭和基地NOWで紹介しましたが、今回は、2日間かけて約40kmに及ぶルート工作となりました。その結果、昭和基地からスカーレンまで約84kmのルートが完成し、そのルートを利用した観測ができるようになりました。途中、例年、よく海氷にクラック(割れ目)ができるという地点に、今年も約2mから3m程度のクラックができていました。海氷の厚さを測って渡る場所を選び、雪上車と橇を切り離し、道板を使用して慎重に渡りました。その他、氷山などにも苦労させられましたが、2日目に、無事、スカーレンに上陸できました。


海氷上を進む雪上車
(今回は、雪上車2台に、燃料橇1台、ウインチ橇(海底地下水
湧出量計設置に使用)1台を牽引して、海氷旅行を行いました。)


クラック(海氷の割れ目)を渡る雪上車
(クラックの幅が狭く、海氷の厚さが十分な場所を選びます。
道板2枚をクラックの上に引いて、1台ずつ慎重に渡ります。)

 さて、観測の方は、1回目に沿岸地震計メンテナンスおよび海底地下水湧出量計と露岩GPSの設置を行い、2回目に、すべて無事に回収することができました。天候に恵まれたこともあり、いずれも問題なく、観測データを得ることができました。また、これまで無線通信が難しかったスカーレンで、通信隊員も参加し、何とか良好な通信を確保する努力がなされました。通信は基地との連絡手段として大変重要なものです。今回、VHFで良好に通信できることが確認され、よい成果となりました。

海底地下水調査
(海氷にあけた穴にウインチ橇を設置し、1回目に設置した
海底地下水湧出量計を引き上げたところです(橇の中)。)


カブースに取り付けた通信アンテナ
(スカーレンに設置しているカブースにアンテナを設置し、UHF・VHFの
試験を行いました。VHFでは非常に良好な通信が確保されました。)

 
9月15日の気象情報
天気 曇り一時吹雪
日の出 06:39
日の入 17:57
最高気温 -9.4度
最低気温 -13.0度
平均気温 -10.8度
最大風速 21.8m/s
平均風速 17.1m/s
 
 
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