昭和基地が開設されてから50年になろうとしています。
建物が増え、近代的な設備に変わってきた基地の中にも歴史を感じさせるものがあります。
古くなった観測装置や使命を終えて廃棄物となった雪上車など、どれも南極観測を支えてきたものです。
ここ紹介する受信機もそのひとつです。基地主要部から離れた中波/短波の大型送信機が設置されている送信棟に保管されていたこの短波受信機は、製造年月から考えると1次隊で使用されたものと考えられます。
最近のものと比べると、大きく重いこの受信機は、昭和基地開設当初の日本との通信の確保に活躍したはずです。
もう動くことのないこの短波受信機を見ていると、先人達が日本からの電波を食い入るように聞いている姿が目に浮かびます。
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