みなさんもご存知のとおり地球は磁石になっています。その地球の磁石(地磁気)がどのように変化しているのか?ということを、ここ昭和基地では1966年以降から現在まで継続的に観測を行っています。このような地磁気を測定するための固定観測点は、昭和基地を含め世界にたくさん存在します。世界中の地磁気の観測から、地磁気がどのように変化しているのかを長期的に調べています。観測は、太陽活動などによる外部擾乱の小さな日に、毎月1回、地磁気の大きさ(全磁力)と地磁気の方向を精確に測定します。
精確な地磁気を知るために、観測のための建物(地磁気変化計室)には釘やセメントなどの磁性を持つ材料は使われていません。そして、観測を実施する隊員の衣服も磁性のあるものは着用しません。つまり、暖房器具や化学カイロなどは一切使用することができません。地磁気変化計室の室温はマイナス20度以下にもなります。観測のため細かいダイヤルをいくつも回す隊員は、薄い手袋一枚で精密な測定に臨みます。非常に辛い作業です。苦労して得られた昭和基地における地磁気の全磁力は、観測開始の1966年から現在まで長期減少傾向にあります。
通年に渡る観測隊員の努力、そして昭和基地での長期的な観測の継続によって支えられている地磁気絶対観測は、来月、そして今後も続きます!
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