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〜このページでは南極の最新情報をお送りします〜

ドームふじ氷床深層コア掘削計画
2007年1月16日


ドームふじ基地全景
(開設当時は地上に建物がありましたが、今は雪の下。
右側に見えるオレンジ色のテントが掘削場で、
ここで72万年前の氷を掘削しました。)

 日本の約37倍の面積がある南極大陸。大陸の上はほとんどが雪と氷に覆われています。その厚さは平均約2400m、厚いところでは4200mにもなります。昭和基地はこの広大な南極大陸の沿岸に位置し、そこから南極点へ1000km向った内陸の地、標高3820m、富士山を少々越えた高さの地点にドームふじ基地があります。南緯79°19'01"、東経39°42'12"、最低気温は−79.7°Cを記録し、一年の平均気温は−54.4℃、夏一番暖かくなっても−27°Cほどです。

 寒冷な南極大陸に降る雪のほとんどは融けることがありません。降り積もった雪はやがて自らの重さによって雪から氷へと変化し、氷床と呼ばれる大きな氷の塊となって大陸の上に載っています。融けずに残った数千メートルの厚さの氷は一見するとごく普通の氷ですが、内部には雪が降った当時の空気や微小粒子も一緒に閉じ込められています。この氷を氷床の表面から底まで連続して採取し、氷の成分を分析すると、今、私たちが生きている時代から過去へ地球環境を遡ることができるのです。ドームふじ基地はこの氷床を採取しようと第一期ドームふじ氷床深層コア掘削計画において1995年に開設されました。

 アイスコアと呼ばれる氷のサンプルは直径12cmほどの特殊なドリルを使って表面から少しずつ氷床をくりぬきます。第一期では二年の歳月をかけ2500mの深さのアイスコアを採取することに成功しました。そして2001年、さらに深い氷を研究しようと第二期の計画が始まり、2006年1月に採取した氷は深さ3028.52m。解析すると72万年前のものとわかり、氷期、間氷期のサイクルを8回含んだ地球環境の変動がわかりました。

 2007年1月、今まさしく、南極氷床の最深部をめざし掘削を続けています。ドームふじ基地で採取できる直径約10cmの氷のサンプルは、私たちに72万年前までの過去、そしてさらに古い地球環境を報せてくれるタイムカプセルです。深い氷の底から貴重なサンプルを取り出そうと科学者、技術者が一体となって活動しています。

アイスコア
(地上に上がってきたばかりのコア。
ドリルの先端に氷が入っています。)


掘削ドリル
(ドリルが氷床の中に入っていきます。
3000m下までは約1時間10分、
氷を採取してから戻るまで1時間半の長旅です。)
 

 
1月16日の気象情報
天気 晴れ
日の出
日の入
最高気温 -27.5°C
最低気温 -33.7°C
平均気温
最大風速
平均風速 3m/s
 
 
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