52次越冬隊としては宿泊を伴う初めての野外活動として4月20日から24日まで「S16オペレーション」が計画されました。S16とは南極大陸にある、観測隊が大陸の拠点としている地区のことです。
昭和基地は東オングル島という島にあるため、夏期間にドームふじ基地に行く場合等はS16までヘリコプターで移動し、そこからの出発となります。S16には8人までが寝ることが出来るドーム夏宿や、大型雪上車SM100、その他、内陸旅行に必要な橇などがあります。また、気象観測に使用している観測器もこのS16や、すぐそばのS17ポイントに設置されています。
今回のオペレーションはこれまでのブリザードで雪に埋まりかけている雪上車や橇の掘り出し、掘り出した雪上車の無線機などのメンテナンス、気象観測器のメンテナンス等を目的に計画されました。また、今年は夏期間の天候不良により実施できなかった、ドームふじ旅行隊が残してきた廃棄物等の回収作業を行う必要もあり、7人がこのオペレーションメンバーとしてS16に向かいました。
予定していた作業は順調に進みましたが、旅行期間中、天候不良により身動きが取れない日があり、予定より3日遅れての帰還となりました。このオペレーション作業により、すべての橇や雪上車が掘り出され、今後の大陸での野外活動の準備は整いました。
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