4月21日から22日にかけてとっつき岬オペレーションが実施されました。
このオペレーションの最大の目的は、とっつき岬に置かれている故障した大型雪上車(SM100S)の修理を実施することにあります。とっつき岬は昭和基地から15km程離れた場所にあり南極大陸に入る最初の上陸場所になります。故障した大型雪上車は重量があるため、海氷状況がいい場合でも昭和基地までの移動は困難が伴います。そのため現地での修理を行うこととなりました。
このオペレーションは「雪上車を雪と氷の中から救い出し故障した部分を交換修理する」と文章にすると簡単なのですが、とても時間のかかる作業なので、53次越冬隊としては初の宿泊を伴うオペレーションになりました。現地に到着するとすぐに雪上車を掘り出しにかかりましたが固い雪に阻まれてなかなか掘り出せません。やっとの思いで雪を取り除いたところキャタピラはさらに氷の中に50cmも埋もれている状況で愕然としてしまいました。これらを全て取り除いてなんとか雪上車の救出に成功したのですがかなりの時間を消費しました。
でも、故障修理の本番はこれからです。修理部品は1トンもあり、これを機械担当隊員の指示の下、交換を進めていくのですが、このころから風が強くなり天気が崩れ始めたため作業は大変きついものとなりました。作業は翌日の昼過ぎまでに8割はできたものの、天候の悪化が予想されたため、心残りでしたが出直して再度修理実施することとなりました。
大急ぎのオペレーションでしたが曇り空が一瞬晴れたときに見えたきれいな星空は格別でした。
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