大気の変化が描いた空の神秘
2014年2月7日・14日
昭和基地上空の雲の様子
この現象は空気層の変化が大きい時に発生します。
南極の空は神秘的です。普段の生活ではなかなか見ることのできない光景をお伝えします。
まずは、雲のお話。先日ノコギリ状の雲が昭和基地上空に現れました。これは大気中にある空気の層が関係しています。
この現象は、密度や風の速さが異なる空気の層が上下に接する部分で起こる“大気の波(ケルビン・ヘルムホルツ不安定波)”の影響によって発生します。上の層の空気の流れが強く、下の層が湿っていれば写真のような雲が出現するのです。ちなみに、“大気の波”が発生していても下の層が湿っていなければ写真のようなノコギリ状の雲を見ることはできません。日本でも条件が重なれば見ることができますが、非常に稀な現象のひとつです。
次は太陽のお話。昭和基地での日没の様子です。沈んでいく太陽から1本の光が天に昇っています。これは、大気中に漂う氷の結晶が関係しています。
この現象は、サンピラー(太陽柱)といい、空に板状の氷の結晶が漂っていて、板の面が地表に対して水平な時に、太陽光があたることによって発生します。おもに日の出や日没の時間帯に見ることができ、日本でも、冬季の北海道内陸部などで見ることができます。
このような現象は「大気の変化」と密接な関係にあります。昭和基地ではこのような大気の観測も毎日行っています。
天気 | 日の出 | 日の入 | 最高気温 | 最低気温 | 最大風速 |
雪時々曇り | 3:17 | 21:51 | -1.3℃ | -6.1℃ | 7.2m/s |
天気 | 日の出 | 日の入 | 最高気温 | 最低気温 | 最大風速 |
曇り | 3:53 | 21:15 | -0.6℃ | -3.9℃ | 12.3m/s |