電場観測センサー交換作業
2015年11月4日
センサー交換作業
きょうは、地球の大気の電気現象に関する観測のお話です。
地球の大気中には電場が存在しています。電場とは、電荷の分布によりできる電気力の働く空間のことです。地球表面(地面)はマイナス、一方、上空約60~500kmの間に位置する電離層はプラスの電荷で帯電しています。これらの電荷によって、地球表面と電離層の間は電気の力が働く「大気電場」と呼ばれる空間になっていて、約300kVの電位差が保持されています。この電位差は世界中の雷や降雨により維持されていると考えられています。
大気電場の状態は、地域的な風や雪、霧などの現象にも大きく影響を受けるため、宙空隊員はこれらによる変動を常に観測しています。特に昭和基地では、降雪やブリザードが多いという南極特有の環境条件を生かし、飛雪粒子が形成する電場の観測も行っています。
また、気象現象の影響を受けていない晴天静穏時の大気電場の状態を長期間観測して、その変化を知ることで、大気中の電気の通りやすさに関係する大気汚染の状態を把握することも期待されています。
少し前になりますが、天気の良かったこの日、基地に4つ設置されている電場を観測するセンサーの点検・交換を行いました。4つのうち1つは地上10mの高さに設置されており、前述したブリザードの影響を少なくするようにしています。
南極における貴重な大気電場のデータを安定して蓄積し続けるため、定期的なメンテナンスと点検を欠かさずに行っています。
天気 | 日の出 | 日の入 | 最高気温 | 最低気温 | 最大風速 |
曇後晴 | 02:50 | 21:25 | -6.8℃ | -19.7℃ | 5.8m/s |