アイスオペレーション
2015年11月7日
南極氷を届けるために
天候に恵まれたこの日、わたしたちは年に一度のアイスオペレーションを実施しました。アイスオペレーションとは、国内の教育現場や南極観測の広報活動などで使用する南極氷床の氷を採取する作業で、氷床が海に流れてきた氷山の氷を利用して、毎年、越冬隊が担当しています。
南極氷床の氷は、年々降り積もった雪が融けずに、長い時間をかけて押し固められて圧密されてきたものです。そのため、氷の中には過去の空気が小さな気泡として、高い圧力で閉じこめられており、水に入れるとパチパチという音ともに昔の空気が出てきます。この音と空気を日本にお届けすべく、できるだけはじける気泡が多い氷山が選ばれました。
事前に組み立てておいた、氷を入れるためのたくさんのダンボールを現地に持って行き、氷採取が始まります。ツルハシで氷を切り崩して、箱に詰める作業はとても疲れますが、皆で協力して汗を流す仕事は気持ち良く、楽しみながら丸一日がんばりました。休憩時にはイベント係による流しそうめんが振る舞われ、笑顔いっぱいのアイスオペレーションとなりました。
南極の氷は、南極北極科学館での展示や、国立極地研究所の各種イベントでも触れていただくことができます。わたしたち56次隊が採取したたくさんの氷も、いつか多くの方々に触れられて、南極観測への興味を持っていただく、きっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。
天気 | 日の出 | 日の入 | 最高気温 | 最低気温 | 最大風速 |
薄曇後晴 | 02:34 | 21:42 | -6.5℃ | -15.7℃ | 5.4m/s |