夜がはじまるところ
2017年4月14日
写真中央(やや左より)の地平線に見えている、やや暗い部分が地球影。
夜がはじまるところをじっくりと見たことがありますか?
夏のあいだ、昭和基地では太陽の沈まない「白夜」になります。
今年、昭和基地で初めて太陽が沈んだのは、1月21日の00:03。ですが、約1時間後の01:08には太陽が昇ってきてしまいました。この時期、沈んだ太陽は地平線のすぐ下を通っているので、太陽が沈んでも夕方のような明るさがずっと続き、そのまままた太陽が昇るので、「夜」という感覚はありません。ところが、5月の末になると、今度は太陽が昇らない「極夜」に入ります。
今年、極夜前に最後に太陽が昇るのは5月30日の12:06。約30分後の12:32には太陽が沈んでしまい、7月13日の12:07まで太陽は昇ってきません。たった4ヶ月ちょっとのあいだに昼間の長さが24時間からゼロになるので、びっくりするほどの速さで夜が長くなっていきます。よく晴れた日、太陽が地平線の下に沈み、夜が近づいてくると、太陽が沈んだのとは反対の方向に、「地球影(ちきゅうえい)」が見え始めます。これは地球の影の部分、つまり、夜です。
この影の部分がだんだん上に伸びてきて、空全体に広がると、暗くなって「夜」になります。日本ではあまり気にすることのない「夜のはじまり」ですが、南極では、太陽のありがたみとともに、「夜」を実感することがよくあります。あと一ヶ月半ほどで長い夜に入る昭和基地。数少ない晴れた日には、急ピッチで極夜入りの準備が進められています。
天気 | 日の出 | 日の入 | 最高気温 | 最低気温 | 最大風速 |
晴れ | 7:54 | 16:48 | -8.5℃ | -22.1℃ | 10.9m/s |