グリーンフラッシュ
2017年4月25日
写真撮影に成功したグリーンフラッシュ
4月下旬になり段々と日が短くなってきました。南極では色々な大気現象が見られますので、屋外に出る際はカメラを手放せません。先日、観測隊員が日本では見るのが難しいとされるグリーンフラッシュに遭遇しました。
写真のとおり太陽が沈む瞬間に、一瞬だけ緑色の光を放っていました。グリーンフラッシュとは、太陽光が屈折することで波長の短い緑色の太陽像が浮き上がって見える現象です。水平線付近では太陽光が通過する空気の層が厚くなるため、波長の最も短い青色や紫色の光は散乱(レイリー散乱)されてしまい、ほとんど届きません。結果として緑色の光が私たちの目に届くのです。ブルーフラッシュがほとんど見られないのはこのためです。
この現象が見られる条件は、何よりも空気が澄んでいること。晴天時で水平線付近が雲で隠れないことも必要です。日本ではわずか1秒程度しか見られませんが、南極では太陽はゆっくりと沈むのでもっと長く見ることが可能です。撮影に成功した隊員にその時の状況を聞いたところ、当日は気象条件が揃った日だったので今日こそは見られるかなと夕日を観察していて、その一瞬がやって来たそうです。写真を撮っている間に数秒で終わってしまったとのこと。感動にひたったのはその後だったそうです。
海外ではグリーンフラッシュを見た人は幸せになれるという言い伝えもあるそうです。58次観測隊の活動がうまく行くことを願っています。
【参考文献】斎藤文一 武田康男「空の色と光の図鑑」 草思社
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