野外レスキュー訓練
2017年5月28日
ロープの仮固定
昭和基地ではあと2日で極夜期に入ります。極夜前の野外調査は事故なくほぼ終了しました。これから1月半ほどは、屋内での作業やデータのまとめをしてすごすことが多くなります。そして7月後半の極夜明けからまた野外調査が始まるので、そのための準備も極夜中から進めてゆきます。野外活動では安全が第一優先です。危険を予測して事故を未然に防ぐことも大事ですが、もし思いがけず事故にあってしまったとき、冷静に対処できるよう訓練しておくことも大切です。そこで今回は、5月初旬から進めている、クラックやクレバスに人が落ちてしまった時のことを想定したレスキュー訓練の様子をレポートします。
最初に室内で座学とロープワークの練習をします。他人を救助するためにはまず自分の安全を確保することから始めます。装備の名前、使い方とロープの結び方をおぼえます。そしてハーネスを装着し、支点をとり、ロープと確保器具を使って急な斜面を自分が昇り降りする練習をします。さらに人を下に降ろしたり滑車などを使って上に引き上げたりする練習をします。次は外に出て、雪の吹き溜まってできた急斜面で人が昇り降りする訓練、負傷している人を救助者が介助しながら引き上げる訓練、そして負傷して意識のない人を救助そりに乗せて救助者と共に引き上げる訓練をします。外は日に日に寒くなり、日も短くなって待っている間はとても寒いですが、参加した隊員は一つ一つの作業に間違いがないよう声を出し合って確認をしながら、チームワークで真剣に訓練に取り組みました。
極夜前のレスキュー訓練は5/25に無事終了しました。極夜が明けて再び野外調査に行く際には、レスキュー訓練でやった内容をいつでも実行できるようにしておくことはもちろんですが、レスキューの必要なシチュエーションに陥ってしまわないよう、十分に注意したいものです。
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