大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所 南極観測のホームページ

昭和基地NOW!!

 

極夜と除雪

2017年6月10日

狭い場所はロータリーで雪を飛ばします

昭和基地は5月30日に最後の太陽が沈み、極夜に入りました。

極夜とは一日中太陽が昇らない現象のことを言い、南極では約1か月半続きます。この期間はオーロラの観測が最も長い時間観測できるので、日中でも「灯火制限」と言う外で光を出さない制限がかかります。外で仕事をする時も、その時間を頭に入れて動かなければなりません。日本では経験できないすばらしい自然現象ですが、困ることもあります。

それは朝起きても真っ暗なのでとにかく眠く、なかなか目が覚めない事です。1日20時間寝れるのでは。とも思ってしまいます。やはり人間は太陽の光を浴びて生きていると実感できる時でもあります。そんな薄暗い日中でも仕事はあり、今日はその中で除雪を紹介したいと思います。

昭和基地は現在冬の期間になります。今年は雪が少ないのですが、それでもブリザードの雪を放置しておけば数日で基地は埋まってしまいますし、皆が歩く場所を怪我をしないように歩きやすくする為に灯火制限が無い時間帯を狙い除雪作業をしています。除雪には色々な重機を使いますが、少しでも観測データに影響を及ぼさないようにどうすれば最速で終わらすことが出来るか、どこにどの重機を使うかを考え、効率よく動くことを前提にやっています。

ただ闇雲に除雪するのではなく、そのあとの雪の付き方、風の流れなどすべての事を考えながら雪を動かして雪に勝つ!という意気込みでやっていますが、最後は人間は自然に勝つことは難しいので、どこまでコントロールできるかが勝負です。うまく風の流れをコントロール出来て、雪が付かなかった時は自然と笑顔が出てしまいます。

広い場所は雪を押して除雪

除雪を担う雪上車とサンピラー

2017年6月10日の気象情報

天気 日の出 日の入 最高気温 最低気温 最大風速
晴れ - - -22.0℃ -25.4℃ 4.6m/s

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