南極投票がありました
2019年7月15日
投票所となった通信室
投票所入り口
日本では第25回参議院議員選挙が実施されていますが、ここ昭和基地でもこの「南極投票」による投票が行われました。まずは「南極投票」について説明いたします。
南極投票とは、読んでお分かりかと思いますが、南極地域における科学的調査の業務を行う組織、つまり私たちのような南極地域観測隊がその行動中に国政選挙について不在者投票をすることが出来る制度です。
南極投票は日本に選挙権を持った全隊員に権利がありますが、日本にいる時に南極投票の手続きをする必要があります。隊員は、南極出発前に住民登録をしている地元の選挙管理委員会から「南極選挙人証」の発行を受け、隊長が取りまとめて指定された選挙管理委員会に申請し、不在者投票のための用紙の交付を受けます。この用紙は選挙が開催されるまで隊長が保管しています。こうして事前に南極で選挙があるときのために準備しておくのですね。
昭和基地での投票は、不在者投票の管理者と立会人の下、管理者・立会者の署名がされた投票用紙に自身の選挙の住所と氏名を記入し、設けられた投票場所で候補者を記入、その投票用紙をFAXで指定された選挙管理委員会に送ります。記入した投票用紙をFAXで送って終わりではなく、まだやることはあります。
投票用紙はFAX送付用にA4サイズで作成されているのですが、その投票用紙を3つに分割し、専用の封筒の中に候補者を書いた部分を入れ、封筒の表面には選挙管理者・立会人・選挙者の住所と名前の書いてある部分をのりで貼ります。注意事項の書かれた残りの部分は持ち帰ります。封筒を封印し、不在者投票の管理者に託して投票は終了。我々観測隊が日本に戻った時にその封筒は選挙管理委員会に渡されます。
今回の第25回参議院議員選挙の南極投票は、令和元年7月15日に、投票所はFAXのある通信室に設置され、不在者投票の管理者は隊長が務め、立会人は庶務担当隊員が務め行われました。
日本での投票とは異なり事前準備から当日の手続きまで複雑ではありますが、南極というとても遠いところから大切な一票を届けることができるとあってたくさんの人が投票に参加していました。
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