南極観測センターは平成16年(2004年)4月に、国立極地研究所の法人化に伴う組織改革の一環として発足した。
 当センターは、わが国の南極観測事業における観測計画の公開性や効果的な活用などに関して、事業部と協力して実務機能を高めていく役割を主たる任務としている。
 センターの基幹業務は、「情報・システム研究機構 国立極地研究所」の南極観測中長期計画(6ヵ年)における前半期3ヵ年の実行段階に入った南極観測計画について、その継続性と整合性に注視しつつ観測実施計画に伴う設営面などの点検や観測隊とプロジェクト研究者側との調整などにあたる。
 また、年々の観測計画に基づく隊員構成の基本方針および編成案などを南極観測委員会(極地研究所の内部委員会)へ提案するとともに、観測隊に対してはコンサルタント活動や必要に応じて教育活動を行う。
 当センターでは研究活動は行わないが、南極地域観測統合推進本部(本部長:文部科学大臣)で決定される観測計画のうち、大規模プロジェクト観測計画等に関わる教員を併任し、同時に特任業務の下での事業部極地設営室専門職員等の併任でスタッフを構成し、行動中の観測隊の後方支援の強化や南極地域観測事業の将来展望への用意に備える。
 第44次南極地域観測隊(2002-2004)
夏隊(2003年3月末帰国)/越冬隊(2004年3月末帰国)
  • ドームふじ基地で8名の隊員が越冬観測(第期氷床深層コア掘削計画再開)
  • オゾンホール回復期の高々度気球による集中的なオゾンゾンデ観測
  • NHK南極放送センターの建設および昭和基地から南極ハイビジョン放送実施
オゾンホールが発生したときに見られる極成層圏雲。大気温が−80度に達するとこの雲が発生する。 ドームふじ基地の越冬隊員とオーロラ。
ドームふじ基地で最初の掘削に成功し、第II期深層コア掘削計画がスタートした。 NHKスタッフの越冬によってハイビジョンテレビ中継が実現した。
 第45次南極地域観測隊(2003-2005)
夏隊(2004年3月末帰国)/越冬隊(2005年3月末帰国予定)
  • 航空機による南極への隊員派遣(第期氷床深層コア掘削開始/掘削深度362.3m)
  • 南極周回気球飛翔実験(PPB:Polar Patrol Balloon)
  • インテルサットアンテナの建設(昭和基地-極地研間専用回線開通)
昭和基地での大気球実験準備。 南極後期新生代の環境を4mのトレンチを掘り、堆積構造を解析した。
南極周回気球飛翔実験(PPB)は南極を半周して観測を終えたが、精度の高いデータが得られた。 潜水観測により南極湖沼底の植生が明らかにされつつある。
 第46次南極地域観測隊(2004-2006)
2004年11月末出発
主たるプロジェクト研究観測項目
  • 第II期氷床深層コア掘削計画(航空機による南極への隊員派遣・2年次)
  • リュツォ・ホルム岩体及び西エンダービーランドでの地質精査(チャーターヘリコプター搬入)
  • Super DARNレーダーによるオーロラと極域電磁圏変動の観測(ステレオレーダー装置)
  • 定常観測およびモニタリング研究観測を継続
ドームふじ基地で掘削を終えた隊員をS17で迎えに降り立ったドルニエ機。45次隊。 観測隊が持ち込んだヘリコプターでプリンス・オラフ海岸、宗谷海岸の地学・測地観測を行う。
大型短波レーダー等を用いた大気圏・熱圏・電離圏のリモートセンシング観測(Super DARN)。
 第46次南極地域観測実施概要(案)2004年〜2006年
1. 第46次南極地域観測実施概要(案) (PDF(12.1MB)

2. 観測計画

1) 定常観測
・電離層
・気象
・海洋物理・科学
・潮汐
・測地

2) プロジェクト研究観測

P1-1 氷床−気候系の変動機構の研究観測(ドームふじ氷床深層掘削計画) PDF(8.8MB)
P1-5 季節海氷域における生物生産過程と温暖化関連ガス生成過程の時系列観測(傭船による海洋観測計画) PDF(7.2MB)
P2-1 SuperDARNレーダーによるオーロラと極域電磁圏変動の研究 PDF(7.9MB)
P2-2 極域大気圏・電離圏の上下結合の研究 PDF(7.5MB)
P2-3 南極域における地球規模大気変化観測 PDF(8.3MB)
P2-4 GRACE衛星の地上検証(測地観測)計画 PDF(7.8MB)
P2-6 南極湖沼生態系の構造と地史的遷移に関する研究 PDF(7.1MB)
P2-7 季節海氷域における表層生態系と中・深層生態系の栄養循環に関する研究 PDF(8.2MB)
P2-8 低温環境下におけるヒトの医学・生理学的研究 PDF(6.6MB)
P2-9 キングジョージ島における生物応答性と適応進化の研究 PDF(7.9MB)
P2-10 リュツォ・ホルム岩体および西エンタビーランドでの地質精査 PDF(7.2MB)
P2-11 昭和基地周辺地域における電磁場探査・古地磁気学的調査 PDF(8.0MB)

3) モニタリング調査(PDF(32.7MB)

M-1 極域衛星モニタリング観測
M-2 宙空モニタリング観測
M-3 大気微量成分モニタリング(温室効果気体)
M-3B 大気微量成分モニタリング(エアロゾル・雲)
M-4 氷床表面質量収支のモニタリング
M-5 「しらせ」船上における海氷観測
M-6 南太洋の海洋循環モニタリング
M-7 南極地プレートにおける地学現象のモニタリング
M-8 海洋生産モニタリング
M-9 海洋大型動物モニタリング
M-10 陸上生態系長期変動モニタリング

4) 萌芽研究観測

H-1 大型大気レーダーによる極域大気の総合研究(PDF(6.7MB)
H-2 無人磁力計ネットワーク観測(PDF(6.2MB)

3. 設営計画(PDF(2.4MB)

1) 設営計画概要
2) 予算案概要

4. 隊員構成