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「南極投票」をご存じでしょうか？南極観測隊員が日本を離れている間に、衆議院議員総選挙および参議院議員通常選挙での不在者投票を行うことができる制度です。
仕組みを簡単に説明しましょう。投票を希望する隊員は、出国前に、居住している区市町村の選挙管理委員会に、自分が選挙人であることの証明書を交付してもらいます。この証明書が「南極選挙人証」です。不在者投票管理者を務める隊長は、隊員からの投票の申し出をとりまとめて、指定された選挙管理委員会に申請し、FAXで送信するための用紙を交付してもらいます。第54次隊では、これらの手続きを出国前の昨年10月までに済ませて、南極選挙人証や投票送信用紙などを携えて昭和基地に来たのです。
昭和基地では第23回参議院選挙の不在者投票をこの日に行いました。当日、隊長は南極選挙人証を確認して、投票送信用紙を隊員に交付します。FAXが設置された投票所で、隊員は必要事項を記入した送信用紙を選挙管理委員会宛にFAXで送信します。8名が投票を行いましたが、衛星を経由したFAX送信は通信状態が悪いときもあるため、およそ１時間かかりました。実は、第54次隊では、同じ制度にもとづき、昨年１２月９日に南極観測船「しらせ」上でも、衆議院選挙の不在者投票を行いましたので、今回が２回目の南極投票でした。
この日は晴れていれば極夜が明けて、しばらく振りに太陽が顔を出すはずでした（2013年5月30日エントリー）。しかし、外は、あいにくのブリザードでした。そんな中で不在者投票を行う私たちは、まさに『南極選挙人』なのです。
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