国際地球観測年(IGY)を契機に、日本も南極地域観測へ参加することが閣議決定され、我が国の南極地域観測がスタートしました。
1956年11月に出発した第1次南極地域観測隊が、宗谷海岸の南極大陸氷縁から約4km離れた東オングル島に開設しました。当初は4棟だった基地建物も、2022年現在では64棟となり、南極でも有数の規模を誇る観測基地として活動を続けています。
1960年の閣議了解により一旦は打ち切られた南極地域観測の「資料の整理・保管・研究に関する恒久的機関」が必要という勧告が日本学術会議から政府になされました。
勧告を受け、国立科学博物館に、定員3名からなる「極地学課」が設置されました。
1965年に南極地域観測が再開された5年後、第11次南極地域観測隊が昭和基地から南東約270kmの南極大陸みずほ高原の氷床上に開設しました(当初は観測拠点として開設。1981年から基地と改称)。現在は閉鎖中で、無人観測地点及び内陸への中継点となっています。
1961年に国立科学博物館に「極地学課」が設置されて以降、1965年には「極地部」、1966年には「極地研究部」、そして1970年には「極地研究センター」に拡充改組されていきました。その後、1970年には板橋区加賀に移転、1973年に、国立科学博物館から独立し、国立大学共同利用機関「国立極地研究所」が創設されました。
第26次南極地域観測隊が、昭和基地の西南西約670kmのドロンイングモードランド地域の氷床上に開設しました(当初は観測拠点として開設。2004年から基地と改称)。現在は閉鎖中。
ノルウェーのスバールバル諸島ニーオルスンにニーオルスン基地を開設。前年の1990年には、北極圏環境研究センターを設置し、本格的な北極環境研究をスタートしました。
国立極地研究所が総合研究大学院大学極域科学専攻の基盤機関となりました。以降、2022年10月までの間に、80名の博士学位取得者を輩出しています(論文博士8名含む)。2023年4月からは、総合研究大学院大学の一専攻構想により、「極域科学コース」となります。
第35及び第36次南極地域観測隊が、昭和基地の南約1,000kmのドロンイングモードランド地域の氷床最高部に開設しました(当初は観測拠点として開設。2004年から基地と改称)。これまで、2期に渡る氷床深層掘削が行われ、現在は第3期ドームふじ氷床深層掘削計画が進んでいます。
国立大学の法人化に伴い、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構の設置する研究所と位置付けられました。同機構は、国立情報学研究所、統計数理研究所及び国立遺伝学研究所とで構成されました。
東京都立川市緑町の新キャンパスに移転しました。同じキャンパス内には、国文学研究資料館及び統計数理研究所も入っています。
広報展示施設として、南極・北極科学館を開館し、2022年11月までに、32万人を超える来館者をお迎えしました。
ニーオルスン基地建物の老朽化に伴い、ニーオルスン国際観測村の中心部にある新基地に移転して、観測を継続しています。