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出張授業・渋谷区立鉢山中学校①

2024年7月12日(金)に、東京都渋谷区立鉢山中学校において、中学3年生を対象に、気候学が専門の木村 詞明氏(東京大学 大気海洋研究所)による出張授業を実施しました。定常的に鉢山中学校と連携している渋谷区のこども科学センター・ハチラボのスタッフもサポーターとして同行しました。



今回の出張授業では「勉強」ではなく「研究」を体験してもらうため、今年の9月の北極海の海氷面積を予想するワークショップを行いました。まずは、9月の海氷面積を予想する重要性を共有した後、予想のために重要なステップである「規則性と前兆を見つける」、「ストーリーを考える」方法について解説しました。

次に、予想のための参考データ集を利用して、今年の9月の海氷面積を予想しました。参考データ集は生徒の意見を取り入れて選定しました。各班は、海氷面積や気温、風速、積雪などのデータを読み解きながら、海氷面積に影響を与える要因についてディスカッションした後、予想した最小海氷面積とその理由を発表しました。今回の予想結果は、北極海の海氷予測の国際的研究プロジェクトSea Ice Prediction Network(SPIN) が発行する報告書「Sea Ice Outlook 」に投稿します。

最後に木村氏から、研究者とはどのような人か、研究する時に大事にしてほしい心構えが伝えられました。代表生徒からはお礼と共に、このワークショップで学んだことを今後の学習・生活に活かしていきたい旨が伝えられました。授業後にはデータの解釈や自分の予想について、木村氏と熱心にディスカッションする生徒も見られました。北極や海氷、研究に対する興味がさらに深まった授業になりました。


学校・団体名 東京都渋谷区立鉢山中学校
対象 中学3年生
実施日 2024年7月12日(金)
講師 木村 詞明(東京大学 大気海洋研究所)
活動内容 北極海の海氷面積を予想するワークショップ(100分)
参加人数 35名
参加者からの声 ・調べていくうちにさまざまな仮説が立っていき、それを見つける楽しさが心に残りました。

・いろいろな資料を活用し、予測する。それは難しいことだけど、時間をかけて、何か新しいことを発見する。今回のワークショップを通して、研究の楽しさを知れました。

・今回さまざまな資料を見て、地球温暖化の深刻さを目の当たりにしました。各班考える材料にした資料も予想も違っていましたが、どれが正解というのはなく、この事柄について傾向を読みとり思考したこと自体に意味があるのだと感じました。今年の9月に結果がどうなるのか気になります。

・答えがないものを班ごとに調べて考えるのは難しかったですが、新しい発見もあって楽しかったです。木村さんの予想も知りたいと思いました。今回のワークショップを通して、私も熱中できる夢中になれる自分の好きなものを見つけたら、大切にしていきたいと感じました。

・自分たちで考察した内容が本当に合っているのか、9月になったら面積の変化を調べてみたいと思いました。

・北極の氷が無くなっていっているのは知っていましたが、原因が地球温暖化だけでなく風速などさまざまな出来事が関係しているのが分かりました。氷が無くなってしまうと日本がどのような危機に陥ってしまうのかも調べたくなりました。

・日本と北極は遠くにあると思いましたが、この講義を聞いてとても身近に感じられました。

・北極や寒い地域の生態系を調べてみたいと思いました。

・もし北極ではなく南極の氷が解けたらどのようなことがおきるか知りたい。また、ウイルスのほかに何がいるか知りたいです。

・静かそうに見えて、とても楽しそうにいろいろなことを話してくださって、有意義な時間を過ごすことができました。本当にこの仕事が好きなんだなということが伝わってきて、私も将来こんな大人になりたいと思いました。