研究機関訪問・東京都立南多摩中等教育学校よる国立極地研究所訪問
2024年7月5日(金)に、気候変動や極地に興味・関心のある東京都立南多摩中等教育学校の生徒が、キャリア教育・STEAM教育の一環として、国立極地研究所を訪問しました。榎本 浩之ArCS II プロジェクトディレクター(国立極地研究所)が講師として対応しました。
前半は、「きみも今日から北極・南極のエキスパート!」と題して、極地の研究から知る地球温暖化の最前線について講演が行われました。北極・南極とはどのようなところか、どのような動物や人々が住んでいるのか、なぜ地球温暖化の研究で極地が注目されているのか、今何が起き今後どうなると予想されているのか、などを紹介しました。講演中は、「北極と南極の違いを見つけてみよう。」「北極の気温が上がる影響を考えてみよう。」などの質問が講師から投げかけられ、生徒も質問するなど、コミュニケーションを取りながら進められました。休憩中には、展示資料を熱心に見る生徒の姿がありました。
講演の後半では、北極海の海氷と南極の陸氷を観察しました。生徒にはどちらの氷かを伏せて提供し、目の前にある二種類の氷が何であるかを当ててもらいました。生徒たちは、氷を見る、嗅ぐ、触る、聞くなどし、前半の講演で得た知識も使いながら、グループ内でディスカッションして仮説を発表しました。
その後、南極・北極科学館に移動しました。講師は自身の経験を交えて、極地の地理や環境、アイスコアの掘削ドリル、生物標本、観測活動など、多岐にわたる展示を紹介しました。ホッキョクグマのはく製の前では、ホッキョクグマの毛を実際に虫眼鏡で見て、その構造や色を観察しました。生徒から講師へ熱心に質問する姿も見られ、時間を延長して閉館時間までの見学となりました。今回の訪問で極地やその研究に対する興味がさらに深まった様子が感じられました。
学校・団体名 | 東京都立南多摩中等教育学校 |
対象 | 中学1年生~高校1年生、教員 |
実施日 | 2024年7月5日(金) |
講師 | 榎本 浩之 ArCS II プロジェクトディレクター(国立極地研究所) |
活動内容 |
・榎本氏による講演(90分) ・国立極地研究所 南極・北極科学館の見学(50分) |
参加人数 | 20名 |
参加者からの声 |
・本やインターネットには載っていないような、経験者の話が聞けてとても良かった。 ・北極と南極はとても似ていると思っていましたが、気候や文化、生息する動物、環境などが全く違うことが分かり、良い勉強になった。また、南極や北極に行って、実際に見てみたいと思った。 ・南極については知る機会があったが、北極についてはほとんど知らなかったので、とても勉強になった。 ・北極や南極での調査はまず調査できるようになるまでが大変なんだということが分かった。極地での暮らしはそれでも楽しそうだなと思った。 ・砕氷船のせいで南極の氷の減少が進行しているかもしれないという話が特に心に残った。 ・南極氷で、何万年前の気候が分かることに驚いた。 ・いろんな話を聞いて、地球のことや極地に興味が増し、自分も行ってみたいと思った。 ・北極の気温の上昇が特に激しいことを知らなかったので驚いた。氷河の減少は単に暑いからだけではなく、大気の汚れや海への流出などが密接に関わって起きていることを知り、対策の難しさを感じた。 ・今回は北極などで暮らす人々がおよぼす自然への影響などについて学ぶことができたが、北極で暮らす人々の暮らしについてもう少し調べてみたいと思った。 ・いろいろなことはすべてつながっていることが心に残った。 ・北極や南極の氷を触れたのが心に残った。それぞれの氷の特徴や違いについて調べてみたい。 ・北極や南極の氷や空気に触れたことで一気に北極、南極が身近に感じられてとても楽しかった。ホッキョクグマのはく製はとても大きく立派な歯で驚いた。 ・過酷な環境だったり、逆にそこでしか得られないものだったり、いろいろな意味で「極」地、なんだなと感じた。 |