ArCS IIイベントシリーズ・企画展示「キョクホクの大河」を開催しました
ArCS IIの最終年度である2024年度は、代表機関の国立極地研究所の南極・北極科学館を中心に、ArCS IIイベントシリーズ「ようこそ、北極へ!」 を、年間を通して行います。7月17日~8月31日は、北極の自然とそこに暮らす人々の生活をテーマにした企画展示「キョクホクの大河」 を、国立極地研究所の南極・北極科学館で開催しました。
本企画展示は、ロシアのウラル山脈と中央シベリア高原の間を流れ北極海に注ぐ大河「オビ川」をテーマに、オビ川の自然環境やそこに暮らす生き物、川に関わる人々の営みを、日本と比較しながら紹介したものです。パネルでの情報提供だけでなく、魚のはく製やハンティの服飾品などの実物や、ロシアの食卓を床に投影した体験型の展示、来場者の「推し川」を紹介し合う交流ボードが設置されました。展示の詳細については、国立極地研究所のウェブマガジン「極」に掲載した記事 をご覧ください。




展示期間中は、展示制作者の大石 侑香氏(神戸大学)によるYouTube liveやサイエンストーク、渡辺 友美氏(東海大学)による現地でのギャラリートークを実施しました。スペースの都合上盛り込めなかった内容や、展示品についての詳細な解説、展示制作のこぼれ話なども紹介し、参加者と活発な質疑応答がなされました。


参加者アンケートでは、約9割の回答者が「(今まで)オビ川を知らなかった」と答えましたが、展示体験後には約9割が「オビ川や日本の川に興味を持った」と答えました。寄せられた感想には、「初めての知識でとても興味をもちました。一生に1回の経験になりました。」「聞いたことのない魚やその1年のくらし方など、絵や標本を実際に使って説明していて、とてもわかりやすくおもしろかったです。」「その土地の人々の暮らしと川の関わりが分かりやすかった。魚料理が美味しそうだった。」「日本にも凍る大きな川があること、初めて知りました。」「日本と海外の川のちがい、生態系の特徴をよく理解することができました。 凍らせることで、寄生虫のリスクを低減させているのか…とその土地の食文化の工夫に気付かされました。」「子供達の推しの川などを貼る企画がよかったです。」などがありました。夏休み期間にふさわしい、子供から大人までが楽しめる企画展示となりました。