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ArCS IIイベントシリーズ・サイエンストーク「グリーンランドにくらす人々のくらしと毛皮との関わり」を開催しました

ArCS IIの最終年度である2024年度は、代表機関の国立極地研究所の南極・北極科学館を中心に、ArCS IIイベントシリーズ「ようこそ、北極へ!」を、年間を通して行っています。2024年9月28日(土)には、国立極地研究所の一般公開「極地研探検2024」 の一部として、日下 稜氏(北海道大学)を講師に迎え、サイエンストーク「グリーンランドにくらす人々のくらしと毛皮との関わり」を実施しました。


日下氏は高校2年生の時に初めてグリーンランドを訪れ、今はグリーンランド北西部の村・カナックやシオラパルクで研究活動を行っています。サイエンストークでは、グリーンランドの地理やさまざまな生き物、そこに暮らす人々の生活を、動物の毛皮を中心に紹介しました。寒さのため植物がほとんど育たないグリーンランドでは、動物は現地の人々の衣食住において欠かすことのできないものです。ホッキョクグマをはじめ、ジャコウウシ、アゴヒゲアザラシ、グリーンランドドックなどがどのように活用されているかを、現地で撮影された貴重な写真を多く使いながら紹介しました。

会場では、日下氏が北極で収集してきた動物の毛皮や加工品も展示しました。手触りが非常に柔らかなホッキョクウサギ、種類によって毛足の長さや質感が大きく異なるアザラシ、鋭い爪を持つホッキョクオオカミ、極寒の環境に耐えうる3層構造の毛皮を持つジャコウウシの毛皮などを、実際に手で触って体験してもらいました。アザラシの皮で作った犬ぞり用のムチについては、その製造工程を実物や写真、経験談を交えて紹介しました。展示では、現地の人たちが食用としてだけでなく動物を丸ごと活用している様子を来場者に伝えることができ、子供から大人までが楽しんでいる様子が印象的でした。

参加者アンケートには、「北極の村で実際暮らしたことのある研究者の話が聞けたのは貴重な体験でした。」「色々な動物の毛皮の使われ方を知ることができ興味深かったです。」「サイエンストークの切り口がおもしろかったです。」などの感想が寄せられました。毛皮の展示については、「北極に住む動物の毛に普段触ることはできないのでよかったです。」「アザラシの毛皮が思っていたのと違っていて意外でした。」「3歳と1歳の子供も興味を持って触って見たりしてとてもよかったです。」「サイエンストーク、毛皮、グリーンランドの各企画がそれぞれ工夫されていて、あまり内容に詳しくない題材のものでも楽しむことができました。」などの声が届き、参加者の毛皮や北極に暮らす人々のくらしや文化への興味・関心を大きく引き出すことができました。

 

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