カナダ海盆係留系設置チーム① 観測便り

海氷はいずこへ?(2012.8.17)

現在地:北極海カナダ海盆(北緯70度43分、西経143度00分)

チームメンバー:小野純(極地研/東大院新領域)、平野大輔(極地研/東京海洋大)

写真1 ウッズホール海洋研究所による係留系回収作業

8月11日から16日にかけての6日間、残念ながら航海中の船の周囲にはほとんど海氷が観られなかったため、海氷班は電磁誘導式氷厚計およびマイクロ放射計による観測を一時中断しました。その一方では、8月11日および12日に、北緯度、西経度の観測点において、ウッズホール海洋研究所による係留系回収および設置作業が行われました。写真1は回収作業の一部を撮影したものです。夏の北極海とは言え、氷点下の中での半日がかりに及ぶ作業は、とても大変だと思います。

LSSLで設置するGRENEの基盤係留系には,MMP(1日に1回,自動昇降をしながら水温・塩分・流速を取得することができるセンサー)が取り付けられています。ウッズホール海洋研究所はこれまでに何度も北極海にてMMPを設置・回収してきた実績があります。MMP係留のプロフェッショナルである彼らから,MMP係留系の準備~設置~回収に至るプロセスについてレクチャーを受けています。

写真2 マグマの様な朝焼け 
このような景色を見ながら仕事ができるのも,船上ならではの醍醐味です。

8月17日(金)

カナダ沿岸を西へ向かって航走しながら観測を行っています。早朝、観測を終え、ふと水平線を眺めると幻想的な朝焼けを拝むことができました(写真2)。朝焼けは燃え盛るマグマの様で、新しい1日の幕開けを告げているかのような力強いエネルギーを感じました。自然の織りなす美しさに感動です。

本日午後より,針路を一路北へ向け、次の係留系の回収・設置地点へ向かいます。次回の便りでは、再び美しい海氷の世界をお伝えるできることを期待しています。

気象情報

天気 曇り時々晴れ時々雨(6〜18時)