北極域の夏に時おり見られる夜光雲(極中間圏雲)は、南極域での観測例がとても少なく、昭和基地では初めて撮影できました。
2月11日の深夜から12日の未明にかけて、薄明が続く南の空に、青白いすじのような雲がいくつも輝いていました。対流圏の雲に太陽光が当たる時間ではなく、成層圏にも雲がなかったので、高度90km付近に現れる夜光雲に違いありません。
夜光雲は産業革命以前には記録がなく、二酸化炭素などの温室効果気体の増加による中間圏の寒冷化や、中間圏で雲をつくる原因となるメタンやエアロゾルの増加など、オゾンホールと同様に人間活動が原因となっている可能性があります。
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