4月6日、昭和基地では事故停電を想定した対応訓練をシミュレーションで行いました。今回の訓練では、発電機(エンジン)が冷却水の断水により停止し、昭和基地が停電状態に陥った場合の対応手順を確認しました。
日本では停電になってもすぐ復電しますが、昭和基地では簡単に復電することが出来ません。発電機が復旧してメインブレーカーを入れると、昭和基地全体の負荷が一気に発電機にかかり故障する恐れがあるからです。自動車の運転にたとえると、自動車が同じ速度で、平坦な道から急にきつい坂道に差し掛かると登れない状態になるのと同じ状況です。
昭和基地で停電が発生した場合、隊員はあらかじめ指定されている各所のブレーカーを遮断し、対策本部に連絡します。対策本部では全ブレーカーの遮断を確認した後、発電機を復旧させ、現在の電力量を確認しながら、昭和基地主要部から順番にブレーカーを入れる指示を出します(この手順が坂道を緩やかにしています)。すべてのブレーカーが入ると復電が完了となります。
隊員は実際に事故停電が起こったときを想定して、ブレーカーの場所の確認と、遮断の方法、及び発電機の復旧や観測機器の立ち下げ、立ち上げのシミュレーションを行いました。初めての訓練でしたが、停電発生から復電までの所要時間は約2時間でした。
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