4月21日、昭和基地から南極大陸上にあるS16という拠点までのルート工作を行いました。ルート工作とは、氷の状況を確認しながら目的地までの安全なルートを確保する作業です。S16拠点には南極大陸を移動するための大型雪上車や橇などが十数台置いてあり、また気象観測や積雪、氷床の移動を観測する重要な拠点となっております。
昭和基地からはまず海氷上を進み、とっつき岬から南極大陸に上陸してS16拠点へと向かいます。途中にはクレバス(氷の割れ目)など危険な場所が隠れているため、先頭車は細心の注意を払いながら数百メートルおきに目印となる旗竿を設置してゆき、後続車は旗竿や先頭車からの無線連絡を頼りに安全が確認されたルートを通過し、GPSでコースと旗竿の位置を記録していきます。
途中、積雪観測も行いながら昼過ぎにS16拠点に到着しました。日没が早いため作業時間は1時間ほどしかありませんでしたが、雪で埋まった雪上車や橇の掘り出し作業を行い、S16から約1km離れたS17拠点には新型の気象計を設置しました。
今回のルート工作でS16拠点までの安全なルートが確保されたため、次回は大規模なS16拠点での観測や整備作業を行う予定です。
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