昭和基地中心部の管理棟から東へ300m離れた場所は一面が露岩帯になっております。その岩の上で、シャワーのような形をした装置のメンテナンスをしている隊員がいました。この装置は「回転集電器」といって、地表面と上空約100kmの電離層との間にある大気中の電場を測定しています。この観測により地球全体の電流の流れを解き明かそうとしているのです。この日は強いブリザードの翌日で、強風によりケーブルが断線し、修理にあたっていました。
露岩帯から北へ50m進んだところでは、真っ白な雪面上で逆さになった装置を点検している隊員がいました。この装置は「上向き日射放射観測装置」といって、太陽の日射を受けた地球がどれくらいのエネルギーを空に向かって放射しているかを測定しています。ちょっとした汚れや雪面の乱れが観測に影響するため、毎日気象隊員が点検清掃を行っているのですが、この日はブリザードの強風でカバーと観測装置本体の間に雪が詰まってしまい、それを取り除いていました。
作業開始から数時間、修理や清掃が無事に終わりました。極夜時期に近づき、より寒くなる昭和基地ですが、このようなメンテナンスは定期的に行われております。
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