昭和基地で重大な事故が発生した際には日本国内と連携を取り、最善の対処に当たることが必要です。この度、昭和基地と極地研をはじめとする国内各機関との情報共有が的確に行えるよう訓練を行いました。
『野外活動に出ていた隊員が雪上車と橇の間に挟まれて負傷した』という実際にありそうな状況を想定した通信から訓練は始まりました。ただちに通信室に隊長以下対応メンバーが集められ、現地の状況確認とドクターからのアドバイスを伝えレスキュー隊の編成が行われました。国内の専門医療機関と連携して診断を行うための遠隔医療システムも用意されました。極地研側でも昭和基地から刻々と入る情報を基にそれに対応した訓練と準備が整えられ、昭和基地に伝えられました。
訓練はスムースに進み、無事に終了しました。
このような訓練を行うことによって隊員の動きの確認や通信システムの試験と慣熟を行い備えに万全を期すことはもちろんのこと、これら情報共有全体の改善が図られて昭和基地での生活の安全・安心が守られています。実際に訓練に参加しなかった隊員も状況確認の通信を無線で聞いていて、どのように対処すればよいか、などいろいろと考えさせられるものとなったようです。できれば、この訓練が実際に役に立つことが無いように無事故で過ごしたいものです。
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