7月22日、極夜が明けて9日目に51次隊で4回目の心理調査が行われました。この調査は、京都、大阪、九州の研究グループによるもので「南極心理研究」といいます。
研究の主な目的は、
1)越冬隊員が南極という特殊環境の中でどのような心理体験をするのか明らかにする。
2)自然条件の変化やストレスなど心理的変化の関係を検討して隊員のメンタルヘルスに役立てる。
3)隊員の帰国後の日本社会への再適応をサポートするなどです。
調査の実施は、基地では医療隊員が担当します。回収した調査用紙は、調査毎に密封して持ち帰り、分析は日本国内で行われます。心理調査は、45次観測隊から始まり今年で7年目を迎えます。これまでの研究で明らかになってきたことの一つで「南極越冬が、多くの隊員たちに現代社会で失われつつある心理体験をもたらしている」という結果は、大変興味深いことです。この心理研究は、今後も継続が予定されています。地道な調査の積み上げは、長年蓄積されてきた観測データと同様に日本の貴重な知的財産です。
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