昭和基地は9月4日から6日にかけて強いブリザードに襲われ、建物の屋根まで雪が積もり、色々なものが埋もれるなどの被害が出ました。
特に汚水処理棟、倉庫棟、発電棟の裏側は、ちょうどブリザードの時に風下になるため、たくさんのドリフト(風が建物の後ろで弱まり、積もらせた雪のこと)がつきました。平地ならば重機を使って除雪を行えるのですが、建物の屋上は万が一壊してしまうと大変ですので、人力で除雪を行いました。
昭和基地の東のはずれ、見晴らし岩付近にはリキッドタンクと呼ばれる燃料がはいったタンクを保管しておりました。中身は南極用に特別に作られた軽油で、寒冷時にはこの「南極軽油」で雪上車などを動かしています。このリキッドタンクもブリザードによって雪に埋もれてしまいました。これも重機は使えませんので、ひとつひとつ手で掘り、改めて雪が少なく、平らなところに保管しなおしました。
このようなブリザードが幾度も襲来しながらも、昭和基地にも春が訪れるのです。
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