内陸旅行拠点のS16の隣S17ポイントに滑走路がある。ドロムランと呼ばれる国際航空網の1つの拠点であり、南極大陸にある各国の基地へのフライトの際に給油に寄ったり日本の観測隊員を運んだりするのである。夏の期間しか運用しないため運用に先立ち今回のオペレーションとなった。整備方法は全長1km、幅100m弱の雪原を雪上車のキャタピラで踏みならしていくのである。雪上車2台を使用し片道4分程の滑走路をほぼ1日かけて整備した。同時に目印となる黒旗を100m毎に設置し滑走路が出来上がった。今回は航空用燃料も昭和基地から雪上車で運び無事にオペレーションを完了することができた。
翌日は昭和基地に帰る予定だったが、猛烈なブリザードに見舞われ3日間S16に閉じ込められることとなった。風をさえぎるものが何も無い大陸上のため、生活をしていたSM100と呼ばれる内陸旅行用の大型雪上車が大きく揺れ、隣に設置してあるトイレ橇に行くのも命がけといった感じだった。この様なブリザードの時は昭和基地にいると外出禁止となり外の様子を体感することはあまりないが、今回は自然の恐ろしさを十分に感じることができた。
自分の足元も見えないくらいなんですよ。
|