日本にいる時には何気なく見ていた太陽と月ですが、南極ではちょっと違う姿を見せてくれます。
南極ではしばしば日の出や日の入頃の太陽は丸ではなくつぶれてお供え餅のような形になります。これは、南極では地表付近がとても冷え込んで通常より空気の密度が高くなり、太陽の光が屈折しやすくなるために、地平線より下にある太陽が浮き上がって見えるからです。これと同じことが月でも起こり、つぶれた月を見ることができます。
昭和基地の夜は人工の光がないため周囲がとても暗くなります。そうすると日本では街の明かりで見えなかったものが見えてきます。三日月の頃、月の影になっている部分が薄っすらと見えるのです。これは地球照と呼ばれる現象で、地球で反射した太陽光が月まで達し、その光がさらに月で反射され、再び地球まで戻ってくることによって起こります。この光は弱いですが、人工の光が少ない昭和基地では比較的簡単に見ることができます。
太陽が見せる美しい現象にグリーンフラッシュがあります。これも大気の屈折により起こる現象で、太陽が出入りする瞬間に太陽光の緑色の部分だけが輝いて見えるものです。この現象には、非常に空気が澄んでいることなど幾つかの条件が必要となるため、日本で発生する確率はとても小さくなりますが、昭和基地では比較的チャンスが多いです。
このように太陽や月を観察することも昭和基地での楽しみの一つです。
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