大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所 南極観測のホームページ

昭和基地NOW!!

 

自分の命と仲間の命

2014年4月24日

ロープ1本だけで降下!
クラックなどに落ちた要救助者に接触を図ります地上3階から降下!

南極での活動においては、常に安全を確保しながら行動することが重要です。海氷面や雪面は一見どこも同じように見えますが、その下には牙を隠したクラックやクレバスが待ち受けているかもしれません。不用意に踏み抜いてしまうと、そのまま数m~30mも落下するという可能性もありますし、未知のアクシデントが起きることも想定しておかないとなりません。

日本の場合は消防や警察が救助に来てくれますが、ここは南極。自分の安全は自分で守ることが基本です。また万が一、仲間が事故にあった場合には仲間を助けることが求められます。そのため私たちは緊急時に備え、知識と技術を習得するためのさまざまな訓練を行っています。

訓練は座学の後に基本的なロープワークから始まり、クレバスなどに落ちた要救助者を引き上げるためのロープの固定方法、高所からの降下、滑車を使った引き上げ方法、担架への固定方法、AEDを活用した心肺蘇生、ケガに対する応急手当などの実技訓練を行うほか、TV会議システムを用いた国内との連携を確認するといった総合的な訓練も行っています。

しかし、私たちは実際にこの訓練が役立つ事態が発生しないように注意して毎日の生活を送りたいと思います。

ロープワーク
さまざまな状況に応じたロープの結び方を訓練します。ロープの結び方を誤ると大きな事故につながるので各隊員は真剣です。

要救助者を引き上げるためのコツとは?
ロープの結び方と力学(滑車装置)を活用しクラックなどに落ちた要救助者を引き上げる訓練です。

心肺蘇生訓練
最新の救命理論を基に実技訓練を行いました。

骨折の可能性あり?
もし骨折の疑いがある場合、近くに添え木がない時にはルート上の旗竿を用いて部位を固定します。(もちろんその後旗竿は新たに設置します。)

三角巾の活用法
三角巾の折り方によってさまざまな部位の固定が可能となります。

要救助者を医務室へ搬送します
要救助者は現地で応急処置を受けながら管理棟医務室へ搬送されます。

現地-国内連携訓練
昭和基地における重大な人身事故発生を想定して現地と国内とで連携を取りつつ対処にあたる訓練です。レスキュー活動開始~医務室における負傷者治療に際してTV会議システムで国立極地研究所または医師と直接連絡を取ります。

指揮系統も重要です
現場の状況を的確に把握しレスキュー隊員に指示を送るとともに国内との連絡調整を図ります。

2014年4月24日の気象情報

天気 日の出 日の入 最高気温 最低気温 最大風速
曇後一時ふぶき 8:32 16:04 -6.9℃ -16.6℃ 19.8m/s

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