大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所 南極観測のホームページ

昭和基地NOW!!

 

通信は隊員の「命綱」

2014年5月13日

外出注意令発令
外出注意令が発令されると人員確認が行われます。通信隊員は各隊員の所在を確認します。

「外出注意令が発令されました。ただいまから人員確認を行います。」
屋外は吹雪、風速20m/秒を超え、視界は1kmを下回っています。隊長は建物の外に出ることは危険と判断し、外出を制限したため、通信隊員が無線機のマイクを持ち一斉連絡を行いました。

南極では、隊員間の通信手段は限られます。その中で無線通信は有効な手段のひとつとして長年にわたって活用されてきました。そして、その隊員達の「命綱」である通信業務を担っているのが通信隊員です。

普段、通信隊員は、隊員間の交信を聞き隊員の所在や作業内容を把握しています。また電波が届かないところにいる隊員には、通信内容を中継することで作業効率の向上を支援しています。昭和基地の隊員達は通信隊員の支援の下で作業に専念することができるのです。

なお、昭和基地ではHF(短波帯)無線、VHF(超短波帯)無線、UHF(極超短波帯)無線、インテルサット衛星通信システム、インマルサット衛星通信システム、イリジウム衛星携帯電話などの無線機器を活用しており、それらの保守点検を行っているのも通信隊員です。悪天候によりアンテナのワイヤーが断線するといった不具合が発生しても他部門の隊員とともにすぐに修理を行います。

このように通信は厳しい環境の南極において不可欠なものであり、隊員達は正確・迅速に通信を行うことが求められています。その上で隊員達はそれぞれの業務を行っている仲間のために心のこもった思いやりのある通信を行うよう心掛けています。

野外観測旅行隊との定時交信(その1)
隊員が野外観測旅行に出ている期間中は、通信室で定時交信が行われます。

野外観測旅行隊との定時交信(その2)
定時交信では、人員、車両、装備等の異常の有無、気象状況などが観測旅行隊と昭和基地との間で伝えられます。

国内との連絡には電話も使います
観測や設営内容について緊急性が要する場合、国内と電話による連絡も実施しています。

インマルサット衛星通信システムの修理作業
昭和基地にはさまざまな通信手段がありますが良好に機器を運用できるように保守点検を行っています。必要に応じて修理も行います。

無線設備の保守点検作業
無線設備の保守点検作業を行っています。

アンテナの保守点検作業
無線設備は屋外にもあります。この日は-25℃の中での作業となりました。

作業終了と夕暮れ
アンテナの修理作業が終了するとあたりは夕暮れに包まれました。

2014年5月13日の気象情報

天気 日の出 日の入 最高気温 最低気温 最大風速
曇後ふぶき 9:58 14:37 -8.9℃ -28.5℃ 31.9m/s

大学共同利用法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所
〒190-8518 東京都立川市緑町10-3