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2014年6月7日

測風塔上での風向風速計の保守・点検作業
正確な観測データを取得するためには気象測器等を保守・点検することも大切な仕事です。
高さ約10mの測風塔の上で作業を実施することもあります。

この日、昭和基地では毎秒25mを超すふぶきに見舞われ、20日ぶりに外出注意令が出されました。
 しかし、隊員達は前日に気象隊員の発表した気象予想にもとづいて計画的に安全な行動ができました。気象の変化は観測計画の実施に大きな影響を与えます。昭和基地においても気象予想は重要な情報の一つなのです。

気象隊員はこの気象予想のためにも、気圧、気温、湿度、風向、風速、積雪の深さ、日照時間、雲、視程、大気現象などの気象観測を行っています。気象観測は、気象棟周辺に設置された観測機器から観測データを取得するとともに、目視による観測も実施しています。目視による観測は、ブリザードなどの悪天時はとても大変な作業です。

気象観測には、昭和基地ならではの測定方法もあります。気温と湿度は、国内では温度計と湿度計を通風筒という筒に入れて、そのまま屋外に設置して測定しますが、昭和基地では、その通風筒をさらに百葉箱の中に入れて測定しています。これは雪の粒が小さく、また強風が多いため、そのまま屋外に設置すると通風筒の内部に雪が入り込んで詰まってしまうためです。なお、風向風速は、高さ約10mの鉄塔(測風塔)の上に風向風速計を設置して測定しています。

このように気象隊員によって得られた観測データは、すぐに各国の気象機関に送信され、世界中で気象予測に活用されるとともに、厳しい環境の下で活動する観測隊にとって必要不可欠なものとなっています。

ミーティングでの気象隊員による天気予想
毎晩実施される全体ミーティングで今後の天気を説明します。

昭和基地に設置されている百葉箱
温度計と湿度計を通風筒に入れ、さらに通風筒は百葉箱に入れます。

気象棟内の装置の保守・点検
地上気象観測装置の基板交換を行う気象隊員。

観測データの品質確認の実施
観測データは、すぐに各国の気象機関に送信し、世界中の気象予測に活用されています。

2014年6月7日の気象情報

天気 日の出 日の入 最高気温 最低気温 最大風速
曇後時々雪 -4.8℃ -21.2℃ 25.9m/s

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