「当たり前」を維持するということ
2014年7月3日
おいしく安全なお水を供給します
蛇口をひねればきれいなお水が出ます。
昭和基地で生活をしていると「当たり前」を維持することがいかに大変であるかということ実感する場面が数多くあります。その代表例が「生活水」ではないでしょうか?日本では水道の蛇口をひねるとなんの疑問もなく供給される水ですが、時には-35℃前後まで気温が下がるここ昭和基地では「生活水」をどのように作っているのでしょうか?
まずは水源の確保です。昭和基地の周辺には貯水池と2つの水槽があり雪融け水を確保し水源としています。それらの水源は凍結を防ぐために、発電装置のエンジン部分からの排熱を利用した熱電併給(コジェネレーション)システムによって温水が循環されています。そしてこれらの雪融け水を造水機に介すことにより1時間あたり最大240リットルの生活水が生まれるのです。
なお、これら造水機から作られる生活水は「上水」と呼ばれ、主に調理や風呂などに利用されるほか、一方で造水機を介さない「中水」は洗濯や水洗トイレなどに活用しています。また、一部の水はコジェネレーションシステムによって温水となり基地の暖房として活用されています。
このほかに空調、冷蔵庫・冷凍庫を含む厨房設備、プロパンガスなどを含めた生活インフラは、主に設備担当隊員を中心に定期的な点検(ワッチ)を行っており、予防保全を目的とした部品交換を実施しているほか、不具合が発生した際は凍結の危険性を踏まえ、迅速な復旧作業を心掛けています。
このような作業を通して、隊員達は「当たり前」を維持することの大変さと感謝の気持ちを忘れずに毎日を過ごしています。
天気 | 日の出 | 日の入 | 最高気温 | 最低気温 | 最大風速 |
ふぶき | ─ | ─ | -6.9℃ | -12.8℃ | 31.9m/s |