大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所 南極観測のホームページ

昭和基地NOW!!

 

気球で上空の大気を探れ!

2014年7月14日

気象観測機器の飛揚
気象隊員が“放球”と叫びながら気球と観測測器を手から放します。

極夜が終わり昭和基地では1ヶ月半ぶりに太陽が姿を現しました。そんな中、夕焼けを見ようと空を眺めていると気球が上空に吸い込まれていきました。

どうやらこの気球は「放球棟」という施設から揚げられているようです。いったい何を観測しているのでしょうか?

調べてみると、気球はゴムでできており、空気より軽いヘリウムガスが充填されています。そして、その気球に気象観測機器を吊し、気球を上空に放つと観測機器も一緒に飛揚する仕組みとなっていました。実はこの気球は高層気象観測を実施するためのものだったのです。

なお、飛揚した観測機器は地上から上空30km付近までの気温や湿度、風向風速、気圧などの気象状況を刻々と測定し続け、それらのデータはリアルタイムに昭和基地で受信されていました。

このように昭和基地では、高層気象観測を毎日2回、決まった時刻に実施しています。これらの観測データは、気象状況の把握や今後の気象予測に活用されるとともに世界各国に配信され気候変動・地球環境の監視等に利用されています。

観測機器の準備
観測機器へパソコンから必要な設定値を送ります。

飛揚前の点検
気温や湿度のセンサが正常な値を測定することが出来るか確認します。

観測機器の飛揚準備完了
アンテナを接続して観測機器の準備が完了しました。

観測機器の接続
ゴム気球にヘリウムガスを充填して観測機器を紐で接続します。

観測データの監視
観測機器から電波を受信して観測データに異常がないことを確認します。

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弱風時の放球動画(風速3メートル)
風が弱い時には観測機器を吊るした気球は空に向かって真っすぐに飛んでいきます。

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非常に強い風の時の放球動画(風速23メートル)
風が強い時には気球が激しく引っ張られ、手から離した気球は横に飛んでいきます。

2014年7月14日の気象情報

天気 日の出 日の入 最高気温 最低気温 最大風速
晴れ 11:52 13:04 -21.5℃ -24.6℃ 2.9m/s

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