大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所 南極観測のホームページ

昭和基地NOW!!

 

南極大陸を進む!

2014年10月3日~13日

南極大陸を進む車両
今回のオペレーションには4台の車両を用いました。

10月3日から13日にかけて55次越冬隊における最大の野外オペレーションが実施されました。この11日間に及ぶオペレーションには越冬隊の中から6人が参加しました。

今回は、南極大陸に設置されている無人磁力計の保守作業をはじめ、移動ルート上で行う雪のサンプリング、雪尺(積雪量)測定といった観測部門のミッションのほか、新規導入車両の運用試験や移動ルート上に設置されている旗竿の保守などの設営部門のミッションもあります。行動中は車両の中で生活する特殊な環境となるため、実施にあたっては出発の約2ヶ月前から野外装備、車両、食料などとさまざまな準備を進めてきました。

昭和基地に残留する隊員達に見送られた6名の隊員達は、今回の目的地である約200km先の観測ポイントまで、そして目的地到着後は昭和基地まで戻るといった南極大陸を移動する生活を続けました。特に目的ポイントが近づいてくると、雪面が風で削られて形成されたサスツルギ帯が広がり雪面がどんどん荒れてきます。雪上車の速度をコントロールすることにより車両や観測機器への衝撃を軽減させることがとても重要です。そして、天候にも恵まれすべてのミッションを無事に終了させ、往復約400kmの行程を完走し、予定どおり昭和基地に帰還することができました。

1日中、野外行動をしていると日照時間が日ごとに増していくことが実感できます。そんな中、太陽が沈んでいる時間帯にオーロラを見ることができました。あと1ヶ月もすると昭和基地は白夜です。越冬期間も終盤が近づいてきました。

雪尺観測
2kmおきに設置した旗の高さを計測していきます。前回の測定値との比較から積雪量を計算します。

雪のサンプリング
10kmおきに雪をサンプリングし日本に持ち帰ります。

気象観測
朝と夕方に気温,風速,気圧,雲量などを測ります。

ルート上に設置された旗のメンテナンス
移動ルート上には2kmごとに目印となる旗が設置されており、強風や経年劣化などにより破損している場合があり、適宜新品と交換します。

雪上車への給油作業
昼と夕方の1日2回実施しました。

機械隊員による修理作業
雪上車の不具合が発生しても機械隊員が冷静に対応しました。

雪上車のメンテナンス
長距離移動には雪上車のメンテナンスが必須です。

定時交信
1日1回、昭和基地との定時交信を行います。

行動中の食事はどうするの?
野外行動中は本格的な調理はできないので、調理隊員があらかじめ調理したものを解凍して食事とします。

食事の様子
雪上車の中で夕食を摂りました。

造水作業
生活用の水は雪を融かして作ります。

サスツルギ
南極大陸を移動中に見つけた大きなサスツルギ。

オーロラ
オーロラが発生した時は、気温-38℃。風速8m/秒でした。

このページのコンテンツには、Adobe Flash Player の最新バージョンが必要です。

Adobe Flash Player を取得

南極大陸を進む雪上車
雪上車の移動はルート上を等間隔で連なって進みます。

2014年10月13日の気象情報

天気 日の出 日の入 最高気温 最低気温 最大風速
薄曇 4:35 19:44 -14.4℃ -23.7℃ 7.8m/s

大学共同利用法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所
〒190-8518 東京都立川市緑町10-3