大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所 南極観測のホームページ

昭和基地NOW!!

 

電波に夢を乗せて

2014年11月28日

マイクを使用して会話を行う交信 [SSBという運用モード]
パイルアップした場合には耳を澄ませて聞こえてくる音声に集中します。

昭和基地には日本アマチュア無線連盟(略称:JARL)のアマチュア無線局があり、休日や平日の休憩時間になると、アマチュア無線技士の資格を有している隊員が運用を行っています。なお、昭和基地の呼出符号(コールサインという)は、『8J1RL』です。

世界中のアマチュア無線運用者にとって、数少ない南極の観測基地と交信をすることは、とても価値があると聞いています。実際に『8J1RL』が電波の送信を始めると、世界中のアマチュア無線局が自局の呼出符号を一斉に送信し、交信を求めてきます。このように一度に多くの局から呼ばれることをパイルアップといい、信号が重なるため聞き分けがしばしば困難となりますが、私達は限られた時間で1局でも多くの交信を行うため、受信した信号に神経を集中させて交信を進めています。

また、『8J1RL』では、子供たちに夢を与える活動も行っています。今年は、普段は昭和基地との交信を行うことが難しい日本の子供たちのために、 5月5日「こどもの日」には青少年に限定した運用を行いました。その結果、思いのほかたくさんの子供たちと交信することができました。これをきっかけに、南極に興味を持ち、南極観測隊員を目指してくれる子供がいたら嬉しいです。

55次越冬隊員によるアマチュア無線の交信回数は1万回に達しました。引き続き、来年の1月末まで55次隊による運用が続きますので、『8J1RL』との交信を目指してみてはいかがでしょうか。

8J1RL
運用周波数:7~28MHz帯
運用モード:電信(CW)、電話(SSB、FM)、デジタル(RTTY、PSK、JT65)

JT65というモードでは数W(ワット)の出力で世界中と交信を行うことが出来ます。

アンテナタワーに設置されたアンテナ

アンテナはブリザードによる猛烈な風を受ける過酷な環境に設置されています。安定した運用のためにはアンテナのメンテナンスは欠かせません。

オーロラがひろがった空にアマチュア無線局のアンテナが良く映える

2014年11月28日の気象情報

天気 日の出 日の入 最高気温 最低気温 最大風速
薄曇後晴 - - -5.3℃ -14.3℃ 4.0m/s

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