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昭和基地NOW!!

 

安全で円滑な除雪作業のために

2014年12月18日

約1ヶ月半の本格除雪作業が終了しました!

12月下旬には56次隊が昭和基地に到着し、夏作業が本格化します。夏作業は、建築作業のために大型の車両やクレーンが使われるとともに、多くの物資を移送するために小型トラックが東オングル島内を行き交うことになります。そのため、私達越冬隊は、これまでに積もった雪を本格的に取り除き56次隊を迎え入れなければなりません。これを本格除雪作業といいます。

この本格除雪作業は設営主任を中心に実施されました。除雪対象となる箇所は東オングル島に点在する各観測・作業施設、輸送用コンテナヤード、大型大気レーダーエリアそしてそれらを結ぶ道路です。本格除雪は期間が約1ヶ月半にも及ぶ越冬隊としての全体作業です。そのため、設営主任はあらかじめ10月末に全体計画を隊員へ周知するとともに、各施設の担当者と調整しながら具体的な作業計画が決定されました。

本格除雪がスタートすると、設営主任は各エリアの進捗状況を常に把握するとともに、夕食後には翌日作業計画(隊員の振り分け、使用する重機の選定、危険箇所など)をアナウンスします。作業を円滑に遂行するためには全体を見渡す広い視野や状況に応じた判断力を必要とされるので、気が休まることがなかなかありません。

今回は除雪期間中に2回もブリザードが襲来し、作業が足踏みすることもありました。しかし、設営主任の柔軟な計画変更や的確な指示の下、無事に作業を終えることができました。これからは56次隊も合流し、夏作業が本格化していきます。56次隊との越冬交代を行う2月まで、設営主任は円滑な作業実施と安全を守り続けます。

設営主任は隊員に本格除雪の全体計画を説明します。

油圧ショベルで雪を掘り出します。

ブルドーザーで不要な雪を移動させます。

ホイールローダーで不要な雪をすくい上げます。

クローラーダンプは油圧ショベルによって掘り出された雪を荷台に乗せて運びます。

重機の届かないスペースは手作業となります。昭和基地の水瓶である130キロリットル水槽へ雪を投入します。

大型重機の届かないスペースは除雪機を活用します。

アンテナ付近は砂を撒き日射によって雪を融かします。

2014年12月18日の気象情報

天気 日の出 日の入 最高気温 最低気温 最大風速
晴後曇 - - 1.8℃ -4.9℃ 11.6m/s

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