大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所

2013.05号 国立極地研究所や南極観測などについて

国立極地研究所では、どのような研究をしているのですか?

国立極地研究所は、地球、環境、生命、宇宙などの研究分野と連携して、極地の科学の総合的な研究と極地観測を行っています。
研究の対象は、オーロラ、大気、雪や氷、生き物、岩石、海洋そして隕石などです。

極地での研究は、私たちの身近なところでは何につながっているのでしょうか?

私たちが暮らしている地球の環境はこれからどうなるのか?未来の環境を予測するためにはどうしたらいいのか?孤立している南極大陸には、人間活動の影響を受けにくいことから地球の環境の歴史がタイムカプセルのように残されています。例えば、南極氷床を3000m掘削し過去72万年間にわたる「氷床コア」を採取しました。過去を調べることでその結果を未来への予測に役立てます。人間活動の影響を受けにくい場所=言い換えれば、汚れが少ない場所。こうしたところでの観測が、オゾンが急激に減少する「オゾンホール」の発見につながりました。

南極観測隊に参加するにはどのような資格や試験をパスすればいいのですか?
どんな職種がありますか?どうやって募集していますか?

南極観測隊は、限られた人数での観測活動や基地の維持をしていかなくてはなりません。
観測隊員になるための試験はありませんが、全員に必要で最も大事なことは「健康な肉体と健康な精神の持ち主であること」です。
研究や観測を行う「観測部門」、基地の維持や生活を支える「設営部門」があり、一つの町を機能させるのとほぼ同様の職種が必要ですので、隊員には「その道のプロ」であることが求められます。資格と経験が必要な職種では、公募によるものもありますので、国立極地研究所ホームページで確認して下さい。

犬ぞりは今でも使っていますか?使っているなら今いる犬の名前を教えて下さい。

犬ぞりは、今から約60年前の南極観測が始まった当時に使用しましたが、1956年から数年使用したのみでその後は使用していません。雪上車の性能向上が著しく、輸送量、行動範囲、利便性等で劣る犬ぞりは、すぐに使用されなくなったのです。
また、1998年発効の「環境保護に関する南極条約議定書」によりで、南極に元々ない「種」を持ち込んではならないことになり、また、その時点で南極にいた動物は全て連れ帰られました。

南極や北極では、他の国とどのように協力して観測や研究をしていますか?

南極には、南極地域の平和的利用や領土権の主張の凍結、科学観測の自由などを定めた南極条約があります。(日本は1959年に採択されたこの条約の原署名国(12カ国)の一つです。)また、日本の南極観測は全世界が協力しての「地球観測年」が発端です。このように、元々から南極観測は国際協力が根底にあります。日本の南極観測隊に外国からの研究者が同行しますし、日本の研究者も外国の観測隊に参加しています。第54次観測隊では、ベルギーの観測隊と共同で隕石探査を行い420個の隕石を収集しています。この他にも、2800km離れた双方の基地から雪上車で南極大陸氷床の厚さを測り会合点で合流、相互に観測データを交換しての共同観測や航空機、観測機材、航空拠点施設等を持ち寄っての共同観測など国際共同観測が盛んに行われています。
北極では、北極海を囲む国々により観測が行われていましたが、北極に大きな気候変動の動きがあることから、日本においても北極気候システム及びその全地球的な影響の総合的解析に、国立極地研究所が代表機関となって日本中の北極環境研究者が集結しています。
また、北緯79度にあるスバールバル諸島のニーオルスンには、ノルウェーが運営する国際観測拠点があって、日本を含む11カ国が観測施設を持ち、相互に協力して研究観測を行っています。トロムソ、キルナ、ソダンキラ、ロングイヤービンにある極域超高層大気の長期変動を観測するレーダーやアイスランドでのオーロラ共役点観測、日本を含む14カ国によるグリーンランドでの国際氷床掘削など国際共同観測が盛んに行われています。

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