大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所

2013.10号

ペンギンの視力はどのくらいですか?

ペンギンの視力は、いい調べ方がないので、これまで研究された例はほとんどありません。イルカやアザラシでは何かが 見えるとボタンをおすようにトレーニングされた個体をつかって視力や聴力が調べられています。ペンギンでもそういうトレーニングができれば もっと研究が進むと思います。

ビデオロガーをペンギンにつけると、ペンギンの泳ぐ速度は遅くならないの?

ビデオロガーをつけたペンギンと、ビデオよりもずっと小型の記録計(9g)だけをつけたペンギンを比べると潜る速さに違いはありません。本当は記録計をまったくつけていないペンギンと比べたいのですが、記録計をつけないと速さがわからないので、一番小さな記録計をつけたものと比べています。

ペンギンは、なぜ飛ばなくなったの?「敵から逃げる必要が無かったから」というけれど
陸にはアザラシみたいな敵がいるじゃない。

陸にいるアザラシは動きが遅いので、ペンギンにとってそれほど脅威にはなりません。むしろ水中にいるアザラシのほうが強敵です。空を飛ぶことをやめることで、小さい翼や重い骨などの泳ぎに適した体になれたのだと考えられます。

北極には氷がないんですか?

まず、南極と北極の違いについて考えてみましょう。

南極には南極大陸があります。南極点はこの陸の上です。雪が降り積もって固まった、数千メートルの厚さの「氷床」という氷に覆われています。北極には大陸がありません。北極点もそのまわりも海です。ただし、「海氷」という海水からできた氷に覆われています。この海氷の厚さはだいたい数メートルで、海に浮かんでいます。北極のまわりは冬の間はほとんどびっしりと海氷に覆われていますが、夏になると、北極点から少し離れたロシアやアラスカの海岸に近いところでは氷が融けて海面が姿を見せます。

最近、この夏の間の海氷が少なくなってきています。前の年より増えたり、逆に急に減ったりすることもありますが、長い目で見ると最近の数十年間で夏の氷が減ってきていることがはっきりと分かります。ロシアやアラスカの岸近くでは海氷がすっかりなくなって、船が通ることができる時もあります。今年の夏は、北極点の近くでも海氷がまばらなところが見られました。あと何年かしたら北極点に海氷が無い夏が来るかもしれません。冬の間は最近でも岸まで海氷に覆われていますが、氷の厚さが薄くなってきていることが分かっています。

北極のまわりの氷が少なくなってきた大きな原因は、地球の温暖化だと考えられています。でも、暖かくなった分だけ減っているという単純なものではありません。気象や海の流れが変わったりして、少し複雑な影響を受けながら変化しています。

今、世界中の科学者が、北極でどんなことが起こっているのか、将来北極の氷がどうなるのか、それによって世界の気候がどんな影響を受けるのかについて研究しています。日本でも、国立極地研究所を中心に日本中の研究者が協力して北極の謎を解き明かそうとしているところです。これからどんなことが明らかになるのか、ぜひ注目していてください。

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