北西航路観測チーム 観測便り
- クグルクツク到着 (2012.7.31〜8.2)
- 氷中航行 (2012.7.30)
- 氷観測とホッキョクグマ (2012.7.28〜29)
- 他船救助 (2012.7.27)
- バフィン湾からランカスター海峡に入る (2012.7.24〜26)
- バフィン湾に向けて北上 (2012.7.23)
- ルイサンローラン号、出航! (2012.7.20)
バフィン湾に向けて北上(2012.7.23)
現在地:カナダ・ラブラドル海(北緯61度33分、西経58度30分)
チームメンバー:山口一(東京大学)、柴田啓貴(北見工大)
船首スラミングによる飛沫
我々の乗船しているルイサンローラン号はカナダ沿岸警備隊に所属する最強クラスの砕氷船である。1969年建造の古い船だが、1990年代初頭に、殆ど造り替えとも言える大改装をしている。旧しらせと同じ3軸1舵、ディーゼル電気AC-DC推進システムである。大きさ、軸馬力とも旧しらせより若干小さい。
観測チームは日本から2名、カナダから3名。日本チームは海氷観測と船体運動、海水飛沫の計測、カナダチームは2名が海洋観測、1名が生物観測。
観測チームと乗員以外に、士官学校の学生数名とその教員が実習のために乗船している。彼らも、我々同様クグルクツクで下船する。
7月21日(土)〜23日(月)
出港翌日の21日朝9:30からの船長ミーティングで、レゾリュートからカナダの要人4名が乗船してくることを知らされた。初耳なのでびっくりした。
20日夜から波高く、大きく揺れている。砕氷船なので波浪中の揺れは大きい。しかも揺れの方向が不規則に変化するので、倒れない様に踏ん張るのが大変である。大きな揺れの中、クグルクツク以降も含めた観測用荷物の確認、機器準備と打合せ、既に計測を始めた機器のデータ取得などに追われる。加えて、避難訓練や連夜の北極圏突入記念イベントなどで随分と忙しい。一方船は、波を避けて入り江に入って機器整備をしたりして、ゆっくりと北上している。もうすぐバフィン湾の入口、デービス海峡に差し掛かる。