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第45次南極地域観測隊行動実施計画
第45次観測隊の観測実施計画の概要
第45次南極地域観測隊 航空機運航計画
JARE45 飛行空域
第45次海洋観測計画
航空機によるドームふじ観測拠点への人員派遣計画
ドームふじへの人員派遣計画における飛行ルート(案)
 

第45次南極地域観測隊行動実施計画

1.夏期行動計画の概要
(1) 往  路
  第45次南極地域観測隊は、越冬隊40名、夏隊22名の総計62名の観測隊員と同行者8名からなる。うち越冬隊1名と夏隊5名は11月24日、空路にて、日本からケープタウンを経由し、ロシアのノボラザレフスカヤ基地に入り、うち5名は航空機と雪上車により、ドームふじ観測拠点に入る。「しらせ」は、平成15年11月14日に東京港を出港し、観測隊およびその同行者64名は11月28日に成田空港から西オーストラリアに向けて出発し、翌11月29日フリーマントル港で「しらせ」に乗船する。一方、フリーマントル港においては船上観測の準備および食料などの積み込みを行った後、海上重力・地磁気、大気微量成分、海洋物理・化学、海洋生物等の船上観測を行いつつ、12月上旬南極圏に入る。この間に、オーストラリア気象局および海洋研究局から依頼のあった気象観測用ブイ等を投入する。東経110度線に沿った停船観測の後にリュツォ・ホルム湾沖へ向け西航を開始する。
(2) 昭和基地
 12月中旬に、第1便および夏期建設、大気球実験の準備等に携わる隊員とその一部の物資を昭和基地へ空輸する。これと並行して、プリンスオラフ海岸のスカルブスネス等へ地学、生物調査隊員を空輸する他、夏期の野外調査を順次行う。昭和基地接岸の後、直ちに貨油のパイプ輸送と大型物資の氷上輸送を開始する。平成16年1月には、昭和基地等への本格空輸を行い、約1,128トンの物資を輸送するとともに、300kVA発電機のオーバーホール、インテルサットアンテナ・シェルターの建設・設備作業、観測棟外壁改修、エアロゾル観測小屋建設、燃料送油管設置、見晴らし岩防油堤建設等の夏期作業を行う。
 昭和基地における夏期観測の大きなオペレーションとしては、気水圏系のクライオサンプリングによる回収気球実験、宙空系の高々度気球オゾンゾンデ観測、南極周回気球飛翔実験(PPB)、航空カラー写真測量(プリンスオラフ海岸一帯)、地学系の超伝導重力計観測、南極VLBI観測、電離層観測および海洋潮汐観測などを行う。
 1月下旬には基地の引継ぎを行い、2月1日をめどに第44次隊と実質的な越冬交代を行う。
(3) 野外観測
 昭和基地周辺での野外観測としては、スカルブスネス、ラングホブデ、スカーレン、オングル諸島、とっつき岬、オメガ岬において地学調査、生物調査、測地基準点測量、広帯域地震計観測・GPS観測、氷床表面質量収支観測および無人磁力計の設置等を行う。また、1月末から2月はじめにかけて、S16では気象、通信、機械等の引継業務を行うとともに、第44次隊および第45次隊の内陸旅行隊を収容する。また、S17においてはドームふじ観測拠点に関連する航空隊オペレーション支援を行う。これらの野外観測活動は2月中旬をめどに終了させる。
(4) 復  路
 「しらせ」は2月中旬に第44次越冬隊員および第45次夏隊員と同行者を収容し、昭和基地を離岸する。リュツォ・ホルム湾の氷海離脱後、アムンゼン湾沖の海底地形測量等を行う。東経50度、南緯64度の停船観測の後、南緯64度線に沿って東経150度まで東航し海洋観測を行う。その後、その地点より北上を開始し、3月中旬には南極圏を離れる。その間、船上および海洋観測を実施する。シドニー港への入港は3月20日の予定である。「しらせ」は3月26日にシドニー港を出発し、4月12日に東京港に帰る。第44次越冬隊および第45次夏隊は3月27日にシドニーから帰国する。
(5) ドームふじ観測拠点における夏期観測
 ロシアのノボラザレフスカヤ基地に到着後、夏隊員1名を基地に残し、5名がドイツ隊のドルニエ機で航空中継拠点(ARP1)に入り、その後、雪上車によりドームふじ観測拠点に到着する。12月中旬から同拠点で深層コア掘削を開始する。1月下旬、同拠点を出発し、雪上車にて航空中継拠点(ARP2)に入る。4名は迎えに来たドイツ隊のドルニエ機に搭乗し、S17を経由して、ノボラザレフスカヤ基地に帰り、2月中旬基地滞在中の1名とともにケープタウンを経由して、空路帰国する。残り1名は第44次隊とともに雪上車でARP2からS16に到着した後、昭和基地で越冬する。
2.越冬期の基地概要
 越冬観測では昭和基地を中心に、電離層、気象、潮汐の定常観測と各部門のモニタリング研究観測を継続して実施する。プロジェクト研究観測としては、宙空系では大型短波レーダ、MFレーダ、ファブリーペローイメージャー等を用いた大気圏・熱圏・電離圏のリモートセンシング、無人磁力計を用いた地上多点観測、流星バースト通信による遠隔データ収集、および大型大気レーダの予備実験、気水圏系と共同して高々度気球によるオゾンホール回復期の集中観測等を行う。気水圏系では大気中のエアロゾルサンプリング観測、積雪サンプリング、大気微量成分・エアロゾルの航空機観測、雲のリモートセンシング観測および衛星データの地上検証実験、エアロゾルゾンデ観測、オゾンゾンデ集中観測等を行う。地学系では超伝導重力計観測、南極VLBI観測、DORISビーコンによる送受信観測を行う。生物系では自動観測ステーションによる生物観測、低温環境下におけるヒトの医学・生理学的研究を行う。また、大型多目的アンテナによる地球観測衛星の受信を行う。
3.越冬期の内陸基地と野外観測の概要
 越冬中は、気水圏系では第46次隊夏期における氷床深層コア掘削のための諸準備作業を行う他、8月中旬、中継拠点への燃料輸送、10月中旬、ドームふじ観測拠点まで燃料、掘削用液封液、一般物資などの輸送を行なった後、同観測拠点で第46次夏隊員とともに深層コア掘削を実施する。また内陸基地周辺の雪氷学的調査および気象観測を行う。宙空系では無人磁力計観測(みずほ基地、中継拠点)および流星バースト通信実験を行う。地学系では広帯域地震計観測・GPS観測を実施する。生物・医学系ではスカルブスネス湖沼調査、アザラシの行動調査等を行う。さらに、航空機を用いて、気水圏系では微量気体成分、エアロゾルのサンプリング、氷床氷縁部の写真撮影、生物・医学系ではペンギンの個体数調査を行う。また、設営系ではルート偵察、海氷調査等を行う。
4.昭和基地周辺の自然保護と環境保全
 「環境保全に関する南極条約議定書」および「南極地域の環境の保護に関する法律」の規範を遵守して行動する。
  1. 「南極地域活動計画確認申請書」に基づいた観測活動を行う。
  2. 昭和基地においては年間を通じて廃棄物処理を行い、環境保全に努める。その廃棄物と残置している大型廃棄物等の約168トンは国内に持ち帰って処分する予定である。
  3. 内陸調査および沿岸調査等から排出する廃棄物は、法律の規定に従った処理と保管を行い、昭和基地に持ち帰り処理する。
5.報道関係者への協力
 第45次隊は夏隊同行者(高知新聞社1名)および越冬隊同行者(朝日新聞社2名)の取材活動に協力する。
 

第45次観測隊の観測実施計画の概要

  観測区分 夏 期 観 測 越 冬 観 測
船上観測 野外観測
(基地・内陸観測)



【電 離 層】     電離層観測、電波によるオーロラ観測、リオメータ吸収測定、リアルタイムデータ伝送
【気  象】   地上オゾン濃度計、ドブソン分光光度計の比較観測、S16・とっつきロボット気象計の保守 地上気象観測,高層気象観測,オゾン観測,日射・放射量観測、特殊ゾンデ観測、天気観測、ロボット気象計、気象観測
【海洋物理】 停船・航走海洋観測
漂流ブイ投入(3個)
海底地形測量、海潮流観測
検潮所の保守及び信号ケーブル交換
比較観測及び副標観測(西の浦)
比較観測及び副標観測
海洋潮汐観測
【海洋化学】 停船・航走海洋観測 比較観測及び副標観測  
【測  地】   航空写真測量、GPS精密測地網測量、重力・地磁気測量、露岩域変動量測量、GPS固定観測装置保守  
 
 
観測区分
夏 期 観 測 越 冬 観 測

船上観測
野外観測
(基地・内陸観測)









【宙空系】
南極域からみた地球規模環境変化の総合研究

・南極圏広域観測網による太陽風エネルギー流入と電磁圏応答の研究
・極域大気圏、電離圏の上下結合の研究
・人工衛星・大型気球による極域電磁圏の研究

南極の窓からみる宇宙・惑星研究
・大型気球による宇宙物理学的研究
  高々度気球によるオゾンゾンデ実験、無人磁力計の撤収(スカーレン、オメガ岬)、HFレーダーシステムの保守、西オングル観測システムの整備
南極周回気球(PPB)飛翔実験
HFレーダ2基の連続観測,MFレーダ観測,流星バースト通信による遠隔データ収集,実験無人磁力計観測(みずほ基地、中継地点)、ファブリーペローイメージャー観測、大型大気レーダの予備調査、高々度気球オゾンゾンデ観測、DMSP衛星&EXOS-D衛星のデータ受信
【気水圏系】
南極域からみた地球規模環境変化の 総合研究

・南極域における地球規模大気変化観測
・氷床−気候系の変動機構の研究観測
・沿岸域における海氷変動機構の研究

海氷厚・積雪深・密接度・海氷形態・衛星画像等の連続観測、大気微量成分(エアロゾル)観測、大気サンプリング 第II期ドーム氷床深層コア掘削・現場解析
クライオサンプラーによる回収気球実験
ドームふじルートにおける雪氷気象観測、ドームふじ観測拠点及び航空中継点内陸旅行、大気中のエアロゾルサンプリング、積雪サンプリング、大気微量成分・エアロゾルの航空機観測、大気中のエアロゾル地上観測、雲のリモートセンシング観測、エアロゾルゾンデ観測、オゾンゾンデ集中観測
【地学系】
南極域から探る地球史
・総合的測地・固体地球物理観測による地球変動現象の監視と解明

南極域からみた地球規模環境変化の総合研究
・後期新生代の氷床変動と環境変動

  重力絶対測定、南極VLBI観測 超伝導重力計観測、南極VLBI観測、DORISビーコンによる送受信
【生物・医学系】
南極域からみた地球規模環境変化の総合研究

・季節海氷域における表層生態系と中・深層生態系の栄養循環に関する研究
・南極湖沼生態系の構造と地史的遷移に関する研究
・低温環境下におけるヒトの医学・生理学的研究

生物生産過程と溶存ガス成分の分布量調査 陸上生物調査、潜水調査、ペンギン調査(スカルブスネス、ラングホブデ、オングルカルベン)、生物観測小屋建設(スカルブスネス) 自動観測ステーションによる観測(昭和基地)
日照時間変化と血圧の関係、寒冷刺激下における代謝動態の測定
 
 
観測区分
夏 期 観 測 越 冬 観 測

船上観測
野外観測
(基地・内陸観測)









【宙空系】
極域電磁環境の太陽活動に伴う長期変動のモニタリング
  イメージングリオメータアンテナの建設 全天CCDカメラによる観測、イメージングリオメータによる観測、ELF/VLF波動観測,フラックスゲート磁力計による観測,インダクション磁力計による観測
【気水圏系】
地球環境変動に伴う大気・氷床・海洋のモニタリング
大気海洋間の二酸化炭素濃度連続観測エアロゾル観測、大気サンプリング、中層フロートの投入、漂流ブイの投入 氷床表面質量収支の観測(平頭氷河)、とっつき岬〜S16ルートの雪尺測定、内陸ルート沿いの雪氷気象観測、大気微量成分観測、エアロゾル観測小屋建設 大気微量成分連続観測・大気サンプリング、とっつき岬〜S16ルートの雪尺観測、氷床氷縁監視と氷床表面質量収支の観測,衛星観測による海氷分布の変動観測
【地学系】
南極プレートにおける地学現象のモニタリング
海上重力測定、地磁気3成分測定、絶対重力測定 IGS網GPS点の保守とデータ伝送、広帯域地震計の保守、GPS観測(とっつき岬) 露岩域における広帯域地震計観測、短周期・広帯域地震計による連続観測、地電位連続観測、IGS網GPS点保守・データ伝送、沿岸定点におけるGPS観測及び重力測定、海氷上でのGPS相対測位
【生物・医学系】
海氷圏変動に伴う極域生態系変動モニタリング
表面海水モニタリング、プランクトン量測定、CPR観測、人工衛星海色リモートセンシング観測 植生変化観測(ラングホブデ)、土壌微生物の変化観測、湖沼、水系の水位・水量観測、気流生物の変化 人工衛星海色リモートセンシング観測
アデリーペンギン等の個体数調査
【研究観測・共通】
衛星データによる極域地球環境変動のモニタリング
    ERS−2衛星、NOAA衛星、海色衛星(SeaWiFS)等の受信
 
 
第45次南極地域観測隊 航空機運航計画

1 使用航空機 ピラタス PC6(JA8228) セスナ A185F(JA3889)
2 運航期間 2003年12月〜2005年1月
3 航空委員会 隊長(※神田)
副隊長(山岸)
航空(今関、森、増田)
通信(藤本)
気象(阿保)
機械(桑原)
医療(藤原)
庶務(※外内、小出)
安全(木内)
その他隊長が指名した者
※の者は夏期期間のみ
4 運航内容  

(1)ピラタス


 
飛 行 目 的 飛 行 空 域 飛行時間 飛行回数 総飛行時間 備 考
イメージングリオメーターアンテナの指向性パターン測定 昭和基地上空 2時間
3時間
1回
2回
2時間
6時間
予備実験
本実験


大気エアロゾルの採取 昭和基地上空 3時間 10回 30時間 酸素使用
CO2 サンプリング 昭和基地上空 3時間 10回 30時間 酸素使用
内陸中間拠点旅行隊及びドームふじ観測拠点旅行隊サポート みずほ基地 4時間 2回 8時間  
緊急時フライト みずほ基地及びMD244 8時間 1回 8時間 緊急時以外は、フライトする予定は無い

高所医学 昭和基地上空 2時間 10回 20時間  

氷縁調査 氷縁 2時間 9回 18時間  



廃棄物現状把握及び、処理データー収集 昭和基地及びS16上空 2時間 2回 4時間 他のミッションに同乗可能

 
試験飛行 昭和基地周辺 3時間 1回 3時間  
慣熟飛行 昭和基地周辺 2時間 10回 20時間  
無線中継 別紙地図範囲 2.5時間 10回 25時間 セスナが長距離飛行時行う
予備飛行時間       26時間  
  合計 200時間  

飛行要員には適宜同行者を加えるものとする

 

(2)セスナ

  飛 行 目 的 飛行空域 飛行時間 飛行回数 総飛行時間 備 考

 
海洋大型生物モニタリング 宗谷海岸沿岸及びリーセルラルセン半島 3.5時間 10回 35時間  
プリンスオラフ海岸沿岸 3.5時間 10回 35時間  


氷床氷縁監視 プリンスオラフ〜茅氷河 3時間 5回 15時間  
ルート偵察 とっつき岬〜S16 2時間 2回 4時間  
内陸中間拠点旅行隊及びドームふじ観測拠点旅行隊サポート 昭和基地〜みずほ基地 4時間 2回 8時間  
緊急時フライト 昭和基地〜みずほ基地 8時間 1回 8時間 緊急時以外は、フライトする予定は無い

 
試験飛行 昭和基地周辺 3時間 2回 6時間  
慣熟飛行 昭和基地周辺 2時間 10回 20時間  
無線中継 別紙地図範囲 3時間 10回 30時間  
予備飛行時間       39時間  
  合計 200時間  

飛行要員には適宜同行者を加えるものとする

 

(2)夏期オペレーション、44次隊への依頼

夏期オペレーション、44次隊への依頼

  1. 航空測量(3時間×7)は、45次隊の観測計画であるが、海氷のなるべく良い12月中に実施する。慣熟訓練が終了していない45次隊のフライトを避けるため、44次隊にフライトの依頼をした。
  2. インテル・アンテナ撮影(1時間)は、慣熟訓練が終了した場合は45次隊が実施し、慣熟訓練が終了していない場合は44次隊にフライトの依頼をする。
 
 
昭和基地配置図
 
 

 
 
第45次南極地域観測隊
航空機によるドームふじ観測拠点への人員派遣計画

1.ドルニエ機による人員派遣
 第二期ドームふじ観測計画−南極氷床深層掘削計画−では、2003/2004年から連続する3回の夏期シーズンにドームふじ観測拠点において3000mを超える深さまでの深層掘削を実施する。観測船「しらせ」による隊員の派遣では、ドームふじ観測拠点において掘削に必要な時間を確保することが不可能なため、航空機により隊員を派遣する。ドイツのアルフレッド・ウェゲナー研究所(Alfred-Wegener Institute: AWI)の協力により、AWIが所有する双発航空機であるドルニエ機(Dornier)により隊員を派遣する。
 AWIのドルニエ機の南極での離発着は3000mの高度までという制限があるため、南極での航空機の拠点となるノボラザレフスカヤ基地からドームふじ観測拠点間の航空中継拠点までは航空機による人員輸送を行い、航空中継拠点からドームふじ観測拠点までは雪上車による人員輸送を行う。ノボラザレフスカヤ基地へは、ドロンニングモードランド航空網(Dronning Maud Land Air Network: DROMLAN)に参加する国々(日本含む)が共同で運航する大型航空機で南アフリカのケープタウンから入る。
 第45次隊隊員(越冬隊員1名、夏隊員4名)は、2003年12月上旬に、ドルニエ機によりノボラザレフスカヤ基地からARP1(航空中継拠点1)まで行き、待機していた第44次ドームふじ越冬隊員と共に雪上車でドームふじ観測拠点へ入る。ドームふじ観測拠点において第45次隊隊員5名は第44次隊越冬隊隊員8名と共同で2004年1月下旬まで深層掘削を実施する。
 掘削終了後、第45次隊隊員は第44次越冬隊隊員と共に雪上車でARP2(航空中継拠点2)へ移動し、第45次隊夏隊員4名はドルニエ機によりS17地点経由でノボラザレフスカヤ基地へ戻る。 
2.派遣隊員
 ドームふじへの派遣隊員の選定にあたっては、高所順応の能力、緊急事態に対処する能力、掘削技術に精通していること、南極観測隊参加の経験があることを基準にした。

・ドームふじ観測拠点:ドリラー5名
 本山秀明(45次夏隊)
 田中洋一(45次越冬隊)
 吉本隆安(45次夏隊)
 宮原盛厚(45次夏隊)
 鈴木利孝(45次夏隊)

・ノボラザレフスカヤ基地:現地連絡担当隊員1名
 古川晶雄(45次夏隊)

・昭和基地:S17航空支援隊員1名+支援隊員3名
 東 久美子(45次越冬隊)+支援3名

3.航空機による輸送計画
3-1 人員の派遣(2003年12月上旬)

使用する機体:ドルニエ機(Polar 4)
飛行経路:ノボラザレフスカヤ基地→ARP1(航空中継拠点1)→ノボラザレフスカヤ基地

・ノボラザレフスカヤ基地→ARP1(73.67oS, 35.00oE, 3000m a.s.l.)
  距離:843 km、飛行時間:02:55
  人員・貨物:
操縦士、副操縦士、整備士
観測隊隊員5名
個人装備
非常装備
非常食料(4週間分)
通信機器
その他(掘削用部品等)
JARE最大積載可能荷重
660 kg
燃料補給量(ARP1):Jet-A1ドラム缶6本+予備ドラム缶3本

・ARP1→ノボラザレフスカヤ基地
  距離:843 km、飛行時間:02:55

日程(予定):
11月24日 (飛行隊)成田発
(出迎え隊)ドームふじ観測拠点発
距離430kmを走行スピード85km/日として5日間で走行
11月25日 (飛行隊)ケープタウン着
11月27日 (飛行隊)ケープタウン発
11月28日 (飛行隊)ノボラザレフスカヤ着
(出迎え隊)ARP1(航空中継拠点1)着
11月29〜30日 (出迎え隊)滑走路作成、待機
2月(1〜)3日 (飛行隊)ノボザレフスカヤ発、ARP1着
雪上車隊と合流。高所対策のため一晩滞在
12月(2〜)4日    (出迎え・飛行合同隊)ARP1発
距離430kmを走行スピード85km/日として5日間で走行
12月(6〜)8日 (出迎え・飛行合同隊)ドームふじ観測拠点着

 
3-2 人員の収容(2004年1月下旬)

使用する機体:ドルニエ機(Polar 4)
飛行経路:ノボラザレフスカヤ基地→ARP2(MD244地点)→S17地点→ノボラザレフスカヤ基地

・ノボラザレフスカヤ基地→ARP2(MD244: 72.94oS, 43.46oE, 3032 m a.s.l.)
  距離:1086 km、飛行時間: 03:45
  燃料補給量(ARP2):Jet-A1ドラム缶2本+予備ドラム缶10本

・ARP2→S17(69.03oS, 40.08oE, 608 m a.s.l.)
   距離:450 km、飛行時間: 01:40
   人員・貨物:

操縦士、副操縦士、整備士
観測隊隊員4名
個人装備
非常装備
非常食料(4週間)
通信機器
JARE最大積載可能荷重
480kg
燃料補給量(S17):Jet-A1ドラム缶7本+予備ドラム缶3本

・S17→ノボラザレフスカヤ基地
   距離:1108 km、飛行時間: 04:00
   人員・貨物(ARP2→S17間と同じ):

操縦士、副操縦士、整備士
観測隊隊員4名
個人装備
非常装備
非常食料(4週間)
通信機器
JARE最大積載可能荷重
480kg
 
日程(予定):
1月23日 (帰還・飛行合同隊)ドームふじ観測拠点発
距離500kmを走行スピード70km/日として7日間で走行
1月29日 (帰還・飛行隊合同隊)ARP2(MD244)着
1月(30〜)3日 (飛行隊)ARP2発、S17着、1泊
1月(31〜)2月4日    (飛行隊)S17発、ノボザレフスカヤ着
(帰還隊)ARP2発
距離500kmを走行スピード70km/日として7日間で走行
2月(6〜)10日 (帰還隊)S16着
S16諸作業、車輌・そりデポ
2月(8〜)12日 「しらせ」及び「昭和基地」にそれぞれピックアップ
2月15日 (飛行隊)ノボラザレフスカヤ発、ケープタウン着
 
4.ノボラザレフスカヤ基地への後方支援隊員の派遣
 航空機、航空中継拠点(JARE地上支援隊)、ドームふじ観測拠点、ノイマイヤー基地、ノボラザレフスカヤ基地(ドイツ隊)、昭和基地、しらせ、極地研究所間の連絡、緊急時の現地対応のため、2003年11月下旬から2004年2月上旬まで、ノボラザレフスカヤ基地に後方支援隊員1名を滞在させる。
 
 

 
 

 
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