出張授業・東京大学教育学部
2024年10月7日(月)に、東京大学教育学部の授業外ゼミ活動の一環として、「北極ボードゲームで気候変動教育を学ぼう」と題した、丹羽 淑博氏(国立極地研究所)による出張授業を行いました。教育学を学ぶ大学院生や海洋教育が専門の教員など、12名が参加しました。
まず、丹羽氏による講演で、北極の地理、環境、海洋観測、先住民、政治・経済などについて基礎情報を共有した後、北極ボードゲーム『The Arctic』 体験会を行いました。参加者は北極に関連する6つの職業になりきり、海氷の融解が引き起こすさまざまなイベントに対処していきました。
プレイ後は、各グループで、ゲームをクリアするためには何が重要か、北極の持続可能性のためには、どんな研究や国際的・政治的な取り組み、ビジネスが必要だと思うかなどについて、熱心に意見を交換しました。教育学部での実施だったこともあり、教材としての北極ボードゲームの有用性についても話が及び、教育関係者の北極への興味関心をさらに引き出すよい機会となりました。




学校・団体名 | 東京大学教育学部 |
対象 | 大学院生、教員 |
実施日 | 2024年10月7日(月) |
講師 | 丹羽 淑博氏(国立極地研究所 国際極域・地球環境研究推進センター) |
活動内容 | 丹羽氏による講演と北極ボードゲーム体験会 (120分) |
参加人数 | 12名 |
参加者からの声 |
・対話をしながら、しかも関連知識が得られる仕組みになっていて、素直に「よくできているなあ」と思いました。現実がシビアであるので仕方がありませんが、ゲームをしながらなかなか希望が見出せないもどかしさを感じました。 ・コンボでパラメーターが増えるというのは、その時は取り組みへの効果が見えなくても、後になって返ってくるという長期変化をうまく反映していてすごいと思いました。イベントブックに書かれていることの大半は義務教育課程で習わないことですが、少しでも多く単元に結び付けて伝えられたらいいと思います。 ・自身の担当するロールのキャラクターを細かめに設定した方が面白いが、各自がロールプレイを徹底しすぎた結果、共倒れというバッドエンドをたどってしまいました。各自のロールに真剣に向き合いつつ、利益調整や妥協、説得といった歩み寄りの姿勢を相互にもつことがクリアに必要だったのでしょう。現実世界で多様なシナリオのシミュレーションが行われる理由がわかった気がします。 ・北極を守るためには、北極に対する一般の人のイメージをアップデートする活動が必要だと思います。先住民と科学の関係、北極海にどんなポテンシャルがあるのか、といったことを知り、それと同時に、国際的・政治的な問題についても考えてもらいたいです。 ・分かりやすい導入、ゲーム展開で面白かったです。年間どれくらいの回数なら講師の方々にご対応いただけるのかにもよると思いますが、例えば地域の環境啓発系イベントに出展して来場者にトライしてもらうとか、授業以外の活用もできるような気がしました。 ・気候変動というテーマと教育をつなぐ優れた教材に感動しました。学生たちも夢中になって参加してくれて、嬉しく思いました。 |