昭和基地では、エンジンの冷却水の排熱を利用した温水暖房により外気温が氷点下でも室内温度はプラス20℃前後に保たれています。しかし外気温がマイナス10℃以下ともなると室内温度が下がり始めるため、灯油焚ボイラーで追焚きをします。更に気温が下がると燃料の消費量が大幅に増加します。
この灯油焚ボイラーの他に、「排ガスボイラー」が有ります。これは発電用エンジンから出る排気ガスの熱(300℃以上)を暖房用温水の熱源として利用するためのものです。
この排ガスボイラーを利用することで、灯油ボイラーの運転時間を減らせることができるため、燃料の節約にも繋がります。
この排ガスボイラー、排気ガスのススが溜まると熱の交換効率が下がります。自動的に清掃する装置も組み込まれていますが、過去この装置が止まり、よく警報が鳴っていたそうです。そのため48次隊、49次隊では使用していなかったようです。
今回はその清掃装置の他に、手作業での清掃を加え、稼働テストを行いました。
清掃後は順調に稼働しており、熱供給も十分に行えていることから、ボイラーの稼働設定温度を下げることができ、燃料節約に一役買っています。
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