11月25日の朝、昭和基地で部分日食を観測することができました。この日、部分日食が観測できたのは、南極大陸や南アフリカ、ニュージーランドでした。昭和基地では、午前8時5分〜9時56分まで観測することができ、午前8時59分に最大で太陽の約45%が隠れる部分日食となりました。当日、昭和基地は早朝から風が強くふぶきとなったため、観測は無理かと思われましたが、食が最大となる頃には薄っすらと太陽の形が分かるようになり、部分日食を観測することができました。中にはその姿を写真に撮った隊員もいました。この日は偶然、野外オペレーションに出かけていたチームがあり、昭和基地以外でも観測ができ、写真を撮ることができました。日本でもなかなか見ることができない日食が南極で観測できたことは、隊員にはとても良い思い出となりました。7月にも南極付近で部分日食があったようですが、極夜で太陽が地平線より上にのぼらないために観測はできませんでした。南極では天候に加えて極夜があるため、日食が見られる機会は日本よりも少なくなるでしょう。このように考えると、今回の部分日食が観測できたことは幸運だったのかもしれません。
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