地球の大気を構成する一つの要素としてオゾンという気体があり、このオゾンの多い地表から数10kmのところをオゾン層と呼んでいます。オゾン層は太陽からの有害な紫外線を吸収してくれており、我々が地球上で生活出来るのはこのオゾン層のおかげです。ところが、1980年代以降、南半球の春の9、10月頃になると、南極大陸全体を覆うように上空のオゾンが少なくなりました。この現象はオゾン層に穴が空いたように見えることからオゾンホールと呼ばれています。南極で上空のオゾンが少なくなっていることを世界で最初に発見したのは、ここ昭和基地での観測の成果です。昭和基地では現在もオゾンの観測を続けています。
オゾンホールは、以前冷蔵庫やスプレーなどに使われていたフロンなどの物質が、上空で分解され、そのために発生した塩素がオゾンの破壊を引き起こすことで発生します。現在は世界中でこれらの物質を使わないようにしていますが、オゾンホールが発生しないようになるにはまだ50年以上かかると言われています。地球上で生活するために、我々は今後もオゾン層を守り、有害な紫外線から守ってもらわなければなりません。
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