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福島隊員慰霊祭

2013年10月14日


遺体発見場所のケルン

 私達は2月20日の越冬成立式の後、昭和基地にある福島ケルンにて慰霊祭を執り行い、第4次隊で遭難し、亡くなられた故福島隊員のご冥福を祈ると共に、これからの安全を祈願しました。

 あれから7か月少し、日々変化する南極の自然に感嘆しながらの生活では、時間は矢のように過ぎて行き、良くも悪くも南極での生活が当たり前になってきました。

 太陽が出ない極夜期では昭和基地外での活動はできませんでしたが、陽が再びのぼるようになり始めると、待望の野外活動のシーズンが始まりました。

 7月終わり頃から観測等のため、昭和基地から30km以上離れた場所へ雪上車で行き、現地の小屋やテントで宿泊する活動を行っています。

 そのように南極での生活に慣れてくると、怖いのが慣れからくる慢心です。

 毎月消火訓練があり、毎日のミーティングでも、時折ヒヤリハットの報告があり、気持ちを引き締めていますが、長い越冬生活中、常時気持ちを張りつめておくのは無理があります。

 「南極=非日常の世界」ではなく「南極=日常の世界」と、すっかり南極人になった私達ですが、10月は故福島隊員の遭難事故が起きた時でもあるので、遺体が発見され荼毘に付された場所である西オングル島(昭和基地がある東オングル島の隣の島)で、慰霊祭を執り行いました。

 当日は昭和基地を空にすることはできないので、2日間(10月5日と14日)に分かれて行きました。西オングル島の遺体発見場所と荼毘に付された場所の2か所には、基地内ほどの大きさではないですがケルンがあります。長い年月南極の厳しい自然の中でも風化していないケルンを見ながら、当時の状況を想像してお参りしました。

 9月下旬から好天が続いていましたが、翌々日から遭難当時と同じく、視程100m未満、風速25m/s以上、継続時間6時間以上の一番強いランクのA級ブリザードの予報が出ていたので、今一度気持ちを引き締める機会にもなりました。


荼毘に付された場所にて

 
10月14日の気象情報
天気
日の出 5:14
日の入 19:09
最高気温 -17.7℃
最低気温 -21.6℃
最大風速 6.3m/s
 
 
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